コケの対策と予防

 
 

コケの対策と予防

 
 

水槽のコケ

 
熱帯魚の飼育において、コケに悩まされる方はたくさんいらっしゃると思います。
コケが一切出ない方が理想的だと思うのですが、生物ろ過をする関係上、有害物質のアンモニアが分解され、水草やコケの養分となってしまうため、光さえあればコケは必ずでます。
今回は、完全に予防することが大変難しいコケの対策と予防をご紹介したいと思います。
 
 

コケの種類

 
コケには様々な種類があるのですが、熱帯魚飼育において発生する主なコケには、緑藻類、珪藻類、藍藻類があります。
それぞれ、緑藻類は光合成を行い、葉緑体の中のクロロフィルに由来する緑色をしています。
このコケにはアオミドロやイカダモがあります。
珪藻類は葉緑体内のフコキサンチンに由来する茶色をしています。
とても固い珪酸質という殻に覆われています。
藍藻類はシアノバクテリアとも呼ばれます。
バクテリアという名前からも分かる通り、実は細菌類とされる藻類です。
青色をしていますが、クロロフィルとフィコシアニンの青色に由来します。
代表的な種類にはユレモ、ネンジュモがあります。
 
 

なぜコケが発生するのか

 
まずコケの胞子が空気中から水槽に入り込みます。
しかし、魚もいない空っぽの容器に水を入れただけではなかなかコケは出てきません。
コケの発生にはあと二つ、コケの栄養分と光が必要です。
コケは体に葉緑体をもっており、水中の二酸化炭素と光で、生命活動するためのエネルギーを得ます。
また、成長のためには有機物を取り込むのですが、それが硝酸塩と呼ばれる物質です。
硝酸塩は栄養そのもので硝酸塩が高濃度になると、富栄養化の原因となり、コケの増殖を引き起こします。
この硝酸塩はどこから発生するのかというと、ろ過器においてアンモニアを生物ろ過によって分解したあとの副産物として発生します。
その理由から、熱帯魚飼育において、コケは避けられないということなのです。
 
 

コケの予防方法

 
以上を踏まえてコケの予防をする必要があります。
コケの予防方法は実に様々あります。
それを具体的にご紹介していきます。
 
 

コケ予防における光の量

 
まず、光の量を調整しましょう。
特に夕方のオレンジ色の波調が長い光が入り込む西日は、コケを増やす原因となります。
藻類の中に特にオレンジ色の光を好むものがあるのです。
これは、水槽の設置場所で改善しましょう。
それから、LEDなどの証明ですが、朝から晩まで何時間もつけていると、コケが増えます。
一日に数時間ほどの照射時間が一つの目安となっています。
ただ、観賞する都合でどうしても長くなってしまうので、これについては仕方がないことかもしれません。
出来るだけ照射時間を短くしましょう。
 
 

コケ予防における水質の管理

 
 

硝酸塩を減らす

 
コケの増殖の原因には、光の他に、富栄養化が挙げられます。
富栄養化というのは、アンモニアが生物ろ過された後の副産物、硝酸塩が多くなる事を言います。
硝酸塩を減らす方法もいくつかあります。
まず、換水をして飼育水に含まれている硝酸塩、つまりコケの栄養を捨ててしまう方法が有効です。
定期的に換水をすることによって、硝酸塩を少なくしていくことができます。
 
 

水草を植えて硝酸塩を減らす

 
水草も硝酸塩を栄養として成長しますので、水草の成長を利用してコケの栄養分を少なくし、コケを予防する方法もあります。
特に利用される水草は、丈夫で比較的光量が少なくてもよく、そして成長が早いものが利用されます。
具体的には、マツモやアナカリス、ミクロソリウムなどが挙げられます。
水草の能力を超えて硝酸塩が増えると、今度は水草自体にコケが付いて、見た目が悪くなるうえに水草が枯れてしまうこともあるため、注意が必要です。
水草がある程度以上大きくなった場合、トリミングといって余計な水草を間引いてやることも必要です。
専用の道具などもあるので利用するとよいでしょう。
さらに、水草をより生き生きとさせて成長を爆発的に高めてくれるものが、CO2、二酸化炭素です。
専用の器具を使って、二酸化炭素を水中に溶け込ませる方法があります。
 

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硝酸塩を吸着させる

 
硝酸塩を物理的に吸着させる方法もあります。
吸着には活性炭を利用しますが、活性炭入りのろ過材をろ過器に導入することによって吸着させます。
ただし、活性炭には使用期限があり、ある程度吸着してしまうと、あとはもう吸着できなくなってしまいますので、定期的な交換が必要となります。
 
活性炭
 

 

 
 

コケを取り除く方法

 
 

コケ取りの生物兵器を導入する

 
コケ取りの生物兵器というのは、コケを食べて綺麗にしてくれる魚やエビや貝のことを言います。
エビとしてはヤマトヌマエビミナミヌマエビが挙げられ、貝は石巻貝レッドラムズホーン、ヒメタニシが挙げられます。
これらの生物は飼育もとても簡単で丈夫だという性質があります。
ヤマトヌマエビは淡水では繁殖しませんが、ミナミヌマエビはオスとメスを一緒に入れておくだけで繁殖が可能です。
また、石巻貝も淡水では繁殖しませんが、レッドラムズホーンの繁殖は可能です。
数が増えればそれだけコケ取りの能力は増します。
ただあまり増えすぎても今度は水を汚すので、バランスが大事です。
 
ヤマトヌマエビ
 

 

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