ポリプテルスがかかりやすい病気とは? 治療法や予防法とともに詳しく解説

ポリプテルス
 
 
ポリプテルスは、約4億年から地球上に生息しているといわれている古代魚の一種です。現在の魚とは一風変わった個性的なフォルムと、模様と色が豊富なことから熱帯魚愛好家達から人気があります。また、大きくなる種ですが、病気にかかりにくく生命力が強いので、初心者でも飼いやすいのが特徴です。今回は、ポリプテルスがかかりやすい病気を治療法や予防法とともに解説します。これからポリプテルスを飼育してみたいと思っている方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。
 
 

ポリプテルスがかかりやすい病気

 
ポリプテルスは、硬鱗と呼ばれる硬い鱗をもつ魚です。そのため、多くの観賞魚がかかりやすい、白点病・水カビ病などはかかりにくくなっています。その一方で、ポリプテルスだけがかかりやすい病気もあります。ここでは、その代表例を紹介しましょう。
 

寄生虫

ポリプテルスの身体には、高確率で寄生虫がいます。イカリムシ・チョウなど、ポリプテルスの身体に寄生する寄生虫は複数の種類がいますが、なかでも、マクロギロダクチルス・ポリプティという寄生虫は、ワイルド個体にはほぼ100%寄生しています。寄生虫がいるだけでは、さほど心配はありません。しかし、ストレスなどで身体が弱り、寄生虫が体内で大繁殖すると、強い痒みが出るようになります。その結果、ポリプテルスが身体を流木や水槽の縁にこすりつけるようになると要注意です。擦り傷から雑菌が入り、白点病などの病気を発症することがあります。また、寄生虫は移るので、複数で飼育していると群れごと感染してしまうこともあるでしょう。ですから、寄生虫が確認され次第、隔離して治療をすることが重要です。
 

エロモナス病

エロモナス菌という細菌の一種が魚の体内に入ることによって発症する病気です。エロモナス菌は、水中の常在菌であり、どの水槽にもいて普段は無害です。しかし、水質が悪化すると大繁殖し、発症する確率が上がります。ポリプテルスの場合は、寄生虫で身体に痒みが出て、体表をこすりつけた際にできた傷から感染することが多いです。症状としては、鱗が逆立つ(マツカサ病)、皮下出血による赤斑が出る、目が飛び出るといったものがあります。
 

カラムナリス病

別名尾腐れ病、口腐れ病とも言われる病気です。カラムナリス菌という細菌が、魚に寄生することにより、その部分が腐ってボロボロになっていきます。尾に寄生すれば尾腐れ病、口に寄生すれば口腐れ病になります。ポリプテルスの場合、エロモナス病と同じく、擦り傷から病原菌が入って感染することが多いです。
 

擦り傷

擦り傷は病気ではありませんが、他の病気に繋がる可能性がある怖いものです。擦り傷は寄生虫のほか、ケンカや飛び出し事故などで起こります。特に、ポリプテルスの場合は飛び出し事故が多いため、水槽の蓋を閉めるだけでなく、重しも付けておきましょう。
 
 

ポリプテルスが病気になった場合の対処方法

 
この項では、ポリプテルスが病気になった場合の対処方法を解説します。他の魚には有効な方法でも、ポリプテルスには気をつけなければならない方法もあるので、参考にしてください。
 

隔離

ポリプテルスは群れで飼育することもできます。しかし、この場合、一匹が病気になればあっという間に群中に感染が広がってしまう危険があります。特に、寄生虫は要注意です。新しい個体を買ってきたら、いきなり混ぜるのではなく、しばし1匹で飼育して様子を見てください。寄生虫がたくさんいることがわかったら、すぐに隔離しましょう。ポリプテルスの体表に白っぽい糸のようなものが見えたら、それは寄生虫です。
 

薬浴

薬浴は、最もポピュラーな病気治療法です。ヒコサンZなどの薬を溶かした水で泳がせることで、病気を治療します。ただし、ポリプテルスをはじめとする古代魚全般は、薬浴に弱く、用法・容量とおりだと刺激が強すぎて死んでしまうこともあります。薬浴は最後の手段と考え、実施する場合も用法の半分~3分の1で行ってください。

 

塩水浴

寄生虫や病気に有効な方法に塩水浴があります。水1リットルに対し6gの塩を入れ、0.6%の塩水を造り、そこにポリプテルスを入れて様子を見ましょう。この際、水温を27℃以上に上げてください。ポリプテルスは25℃前後でも生きられますが、寄生虫や病原菌は低温を好みます。ですから、可能ならば30℃まであげて寄生虫や病原菌にとって住みにくい環境をつくることが重要です。
 
 

ポリプテルスの病気予防には身体に傷をつけないことが大切

 
前述したように、ポリプテルスは硬鱗に覆われているため、水の中にいる常駐菌による感染症は発症しにくい魚です。しかし、寄生虫には弱く、さらに傷があるとそこから病原菌が侵入します。ポリプテルスは群体で飼育できますが、相性が悪かったら即隔離してください。また、寄生虫が増えていないかどうかこまめな観察が大切です。また、水質管理、水温管理もしっかりとしてください。水温が25℃になると病原菌や寄生虫が活発になり、逆に魚は弱ってしまいます。特に、寒冷地は注意が必要です。
 
 

まとめ

 
今回は、ポリプテルスの病気について解説しました。ポリプテルスは一般的な観賞魚がかかりやすい病気にかかりにくい分、ケガをすると一気に弱ってしまうことがあります。また、病気に効果的な薬浴に弱いので、病気が進行すれば打つ手がなくなることもあるでしょう。病気は早期発見、早期治療が重要です。寄生虫が身体に繁殖していないか、毎日観察してください。また、ポリプテルスは管理のよいしっかりとしたショップで購入することが重要です。