エンゼルフィッシュがかかりやすい病気とは?対処方法・予防法と共に解説

エンジェルフィッシュ
 
 
エンゼルフィッシュは、最も有名な熱帯魚です。美しい色と特徴的な形を持つ魚で、世界中に愛好家がいます。初心者にも飼育しやすい魚なので、初めての熱帯魚として飼育を始める方も多いでしょう。今回は、エンゼルフィッシュがかかりやすい病気を対処法や予防方法を解説します。初めてエンゼルフィッシュを飼うという方は、ぜひこの記事を読んで役立ててみてくださいね。
 
 

エンゼルフィッシュがかかりやすい病気

 
はじめに、エンゼルフィッシュがかかりやすい病気の症状などを解説します。どのような病気があるのでしょうか?
 

エンゼル病

エンゼル病は、輸入品のエンゼルフィッシュが発症しやすい病気です。潜伏期間は1週間~10日間程度。感染力が非常に強く、一匹でも感染した魚を群れに入れると全滅することも珍しくありません。症状としては、元気がなくなり体中が粘膜に覆われて突然死してしまいます。この病気はディスカスも発症しますが、ディスカスの致死率が50%前後なのに対し、エンゼルフィッシュがエンゼル病にかかるとほぼ100%死亡します。国内で繁殖したエンゼルフィッシュがエンゼル病に罹患していることはほとんどありませんが、輸入されたエンゼルフィッシュを購入した場合は、1か月ほど隔離してから群れに合流させてください。
 

カラムナリス症(尾腐れ病)

カラムナリス症(尾腐れ病)は、カラムナリス菌によって発症する病気で、感染する部位によって「口ぐされ」「ひれぐされ」などと名前が変わります。感染した部位が壊死して溶け出すのが症状です。この状態が「腐っている」と例えられます。エンゼルフィッシュの場合は特徴的な長い尾が感染し、腐る例が多いようです。水質が悪化すると発症しやすい病気ですので、水質には注意しましょう。エンゼルフィッシュは糞の量が多く、水質が悪化しやすい魚です。
 

白点病

白点病は、エンゼルフィッシュだけでなく、熱帯魚全般がかかりやすい病気です。病気の原因は、「イクチオフチリウス」という線毛虫の一種であり、これが魚の表皮に潜り込むことによって発症します。白点病を発症した魚は、小さな斑点がひれや身体にできてかゆがるのが特徴です。放っておくと体中が真っ白になって絶命する病気なので、早めに対処しましょう。白点病の原因となる「イクチオフチリウス」は、25℃以下の低い水温を好みます。エンゼルフィッシュは小型の魚なので、いちど発症するとあっという間に弱ってしまうので、水温管理にも気をつけてください。
 

エロモナス病

エロモナス病は、エロモナス菌という細菌の一種が魚の体内に入ることによって発症する病気です。エロモナス菌はどんな水の中にでもいる常駐菌の一種です。しかし、水質管理を怠ると狭い水槽の中で大量発生して感染率があがります。エンゼルフィッシュは群れで飼育するのが一般的なので、集団感染も起こる怖れがあるので気をつけましょう。
エロモナス菌は鞭毛を持って自分で動ける「運動性エロモナス菌」と鞭毛を持たない「非運動性エロモナス菌」があり、どちらに感染するかで発症する病気が違います。代表的なのは以下のような病気です。
* 立鱗病(松かさ病):鱗が松ぼっくりのように逆立ってしまう
* ポップアイ:眼球が異常に飛び出す
* 穴あき病:鱗が充血して?がれ落ち、真皮が見えてしまう

このような症状が見られたら、すぐに水を替えて治療してください。
 
 
エンジェルフィッシュ

エンゼルフィッシュが病気になった場合の対処法

 
ここでは、エンゼルフィッシュが病気になった場合の対処方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。
 

水温を上げる

エロモナス病やカラムナリス症は、水温が低くなるほど活発になります。水温を28℃~29℃に保ち、細菌の勢いを弱めましょう。治りが早くなります。
 

水を替える

病気の原因となる細菌の多くは、水質が悪化するほど増加します。前述したように、エンゼルフィッシュは糞の量が多く、水が汚れやすい魚です。群れで飼っているとその傾向は皿に強くなるので、掃除をこまめにしてください。、また、餌のやり過ぎも要注意です。場合によっては底砂や水草・流木などもすべて洗い、菌を徹底して落とす必要もあります。フィルターの目詰まりや放置なども病原菌繁殖の原因となるので、洗浄や交換が必要です。
 

薬浴

エルバージュエースグリーンFゴールドリキッド・ハイトロピカルといった薬を用いて薬浴しても効果があります。エンゼルフィッシュは薬に強いので、最初から用量どおりに使っても問題ありません。水温を高め、薬を入れて薬浴をさせてください。
大見出し 水温を上げて水替えをこまめにする
エンゼルフィッシュを健康に飼育するためには、水温を上げて水替えをこまめにしましょう。また、あまりたくさんの魚を入れすぎるとストレスで抵抗力が弱ります。エンゼルフィッシュは群れで泳ぐ魚ですが、初心者は3~5匹くらいを限度にしましょう。また、前述したように輸入品のエンゼルフィッシュを新しく購入したら、1か月は隔離して様子を見てください。
 
 

まとめ

 
今回は、エンゼルフィッシュの病気について解説しました。エンゼル病以外は、早期発見早期治療をすれば治る病気ばかりです。そのためには、1日1回は必ずエンゼルフィッシュの様子を丁寧に観察してください。また、水温計は必ずセットしておき、フィルターを過信しすぎないようにすることも大切です。