ディスカスはどんな病気にかかりやすい? 対処方や予防法と共に解説

ディスカス
 
 
熱帯魚の王様と言われるディスカス。美しい模様と熱帯魚らしいフォルムから、人気が高い熱帯魚です。世界中に愛好家がおり、今でも新種が作り続けられています。ディスカスは病気に強い魚ですが、ストレスに弱くストレス由来の病気にかかりやすいのが特徴です。今回は、ディスカスがかかりやすい病気や対象法、予防方法と共に紹介しましょう。
 
 

ディスカスがかかりやすい病気

 
はじめに、ディスカスがかかりやすい病気を紹介します。どのような病気にかかりやすいのでしょうか?
 

白点病

白点病は、「イクチオフチリウス」という線毛虫の一種が魚の表皮に潜り込むことによって発症する病気です。魚が最もかかりやすい病気の1つで、ディスカス以外でも発症する魚はたくさんいます。発症すると小さな斑点がひれや身体にでき、やがて岩などに身体をこすりつけます。症状が進めば、体中が真っ白になって絶命する病気なので、早めに対処が大切です。「イクチオフチリウス」は25℃以下の低い水温を好むので、冬になると発症率が上がります。ディスカスの体表に白い斑点ができていたら、白点病を疑いましょう。
 

ディスカスエイズ

ディスカスエイズは、非常に感染力が強い病気です。群れの中で1匹が発症するとあっという間に群全体に感染が広がることも珍しくありません。感染するとディスカスの身体全体が黒化し、ひれがたたまれて水槽の隅に固まってしまいます。見た目が一変する病気なので、はじめて遭遇した方は驚かれることでしょう。
 

pHショック

pHショックは、1.5以上pHが違う水にディスカスを入れることによって起こる病気です。ディスカスが急に元気をなくして水槽の隅に固まるようであれば、pHショックを疑いましょう。ディスカスを購入した後、自宅の水槽に移す際によく起こりがちです。
 

拒食症

ストレスや仲間との関係でディスカスは全く餌を食べなくなることがあります。放っておくとそのまま死んでしまうので、早めの対処を行いましょう。
 

エラ病

エラ病とは、ダクチロギルスという寄生虫や雑菌がエラで繁殖して呼吸困難になる病気です。エラは魚にとって肺と一緒です。このままでは呼吸困難になるので早めに対処しましょう。
 

浮袋障害

浮袋障害とは、何らかの理由で魚の体内にある浮袋が異常を起こしてまともに泳げなくなる病気です。ディスカスの場合は下を向いて泳いだり、横向きに泳いだりします。治る可能性は五分五分という地味に怖い病気です。
 

寄生虫

ディスカスは赤虫やイトメを餌にしますが、それに寄生虫がついていると体内で繁殖することがあります。また、寄生虫が体内にいる個体を群れに加えると、フンを介して寄生虫が群れの中に伝染していくこともあるでしょう。餌を食べているのにどんどん痩せていく場合は、寄生虫を疑ってください。
 

エロモナス病

エロモナス菌という細菌の一種が魚の体内に入ることによって発症します。エロモナス菌は、水中の常在菌です。水質が悪化すると大繁殖し、発症する確率が上がります。ディスカスの場合は身体に穴が開く症状があらわれることが多いので、「穴あき病」とも言われます。
 
 
ディスカス

ディスカスが病気になった場合の対処方法

 
この項では、ディスカスが病気になった場合の対処方法を解説します。早めに対処すればディスカスは元気になる可能性が高い魚です。
 

隔離

ディスカスは群れで飼育する方が多い魚です。一匹が病気になればあっという間に群中に感染が広がってしまうこともあります。特に、ディスカスエイズは水一滴からもかんせんすることがあるので、早急に隔離して水を替えて水質を保ちましょう。
 

薬浴

薬浴は、最もポピュラーな病気治療法です。グリーンFリキッドなどの薬を溶かした水で泳がせることで、病気を治療します。薬は用法・容量を守って使いましょう。薬浴をする前に、必ず病気の魚を隔離してください。

 

温度調整

薬浴と合わせて行いたいのが水温を高温に保つことです。30~31℃でに設定しましょう。25℃以下だと細菌や寄生虫が活発になります。また、常時水温を28℃以上にすることで病気も予防できます。
 

pH調整

ディスカスはpHの変化に弱い魚ので、必ずpH測定器で水質を測定しながら飼育しましょう。pHショックが起こったら、すぐにpHを6.5程度の弱酸性にして病気予防として薬浴を行いましょう。
 

水位調整

浮袋障害になったときは、水位をディスカスの体の高さに合わせることで、浮袋が正常に戻ることがあります。調節は3日ほど行いましょう。
 
 
ディスカス

ディスカスは信頼できるショップで購入し水温に気をつけて飼育する

 
ディスカスは水温の変化やpHの変化に敏感な魚です。水温が28℃以下にならないように注意して飼育しましょう。また、ショップから購入する場合は必ずpHを合わせてから魚を水槽に入れてください。そうすれば、適合も早くなります。また、ディスカスは寄生虫に感染していれば、群れの中にあっという間に広まります。ですから、ショップでディスカスを購入する際はどのような環境で飼育されているかをしっかりと確かめてから購入しましょう。環境がいまひとつの状態のショップで購入したディスカスを群れに追加すると、病気の感染源になることもあります。
 
 
ディスカス

ディスカスは水温とpHに気をつける

 
ディスカスは、病気に強い魚ですが環境の変化に弱い魚です。ですから、飼育環境をしっかり整えておけば病気にかかりにくくなります。また、ディスカスは群れで飼育するのが一般的なので、病気の個体は素早く隔離してください。そうするためには、こまめな観察が不可欠です。毎日魚の様子と水温、水替えのときはpH値をしっかりと確認しましょう。