グッピーが太った!?肥満?グッピーの腹水病の原因や予防方法を解説

グッピーの腹水病
 
 
グッピーは初心者でも飼いやすい代表的な熱帯魚です。初めて熱帯魚を飼育する際、グッピーをすすめられた方も多いことでしょう。グッピーは病気にも強い魚ですが、全く病気にならないというわけではありません。グッピーが発症しやすい病気のうち、発見が遅れがちなのが「腹水病」です。特に初心者は、グッピーが太り過ぎたなーと勘違いしたりもするので、今回は、腹水病の原因や治療法、予防法を解説します。
 
 

腹水病とはどのような病気?

 
はじめに、腹水病の症状や原因、発症しやすい状況などを分かりやすく解説します。どのような条件下で腹水病は発生しやすいのでしょうか?
 

腹水病は細菌が原因で発症する

腹水病の原因となるのは、「エロモナス・ハイドロフィラ(運動性エロモナス菌)」という細菌です。エロモナス・ハイドロフィラ(運動性エロモナス菌)は淡水や沿岸海水に常駐している菌ですので、水槽内にも普通に存在しています。ですから、腹水病の原因を完全に取り除くことはできません。
 

腹水病が発症する要因

健康なグッピーであれば、エロモナス・ハイドロフィラが常駐している水中で生活しても問題ありません。体内に免疫が感染を防いでくれます。しかし、何らかの要因で免疫力が低下した場合、エロモナス・ハイドロフィラに感染し、腹水病を発症する可能性が高まるのです。
免疫力が低下する最大の原因はストレスです。水温や水質がグッピーに合っていないと強いストレスを感じるでしょう。また、水やりの回数が少なく、水が常時汚れているとエロモナス・ハイドロフィラが異常繁殖することもあります。こうなると、健康なグッピーであっても免疫が負けて腹水病を発症しやすくなるでしょう。
ですから、どのようなグッピーであっても腹水病を発症する可能性がある、と言えます。
 

腹水病の症状

腹水病は、文字どおりお腹に炎症が起こって水がたまる病気です。腹水病を発症するとグッピーは消化器官が働かなくなり、お腹がパンパンに腫れます。一見すると妊娠したように見えるかもしれません。しかし、オスもお腹が膨らむのでそこで気がつく人も多いでしょう。オスが先にお腹が膨れだした、オスとメスを分けて飼育しているのにグッピーの腹が膨れた場合は、腹水病を疑いましょう。オスとメスを一つの水槽内に飼育していて妊娠か腹水病か分からないという場合は、糞を確認してください。糞の様子がおかしい、糞をした様子がない場合は、腹水病の可能性があります。また、
「単なる肥満」との見分けのつけ方も糞を確認してください。
 
 

腹水病にかかってしまったら?

 
グッピーの腹水病
 
では、グッピーが腹水病にかかってしまったらどうすればいいのでしょうか?この項では、腹水病の治療方法や治療する際の注意点を紹介します。
 

早期治療が大切

腹水病は一度発症してしまうと完治が難しい病気です。糞が真っ白くなり、エサを食べなくなるなど末期の症状が現れたら回復はほぼ不可能と考えましょう。まだ腹部の膨張が小さく、餌を食べるだけの元気があるときに治療を始めてください。必ず完治できるとは限りませんが、治る可能性はあります。
 

発病したグッピーを隔離する

腹水病は感染性の病気ではありません。しかし、健康なグッピーと同じ水槽で飼いながらの治療はできません。小さな水槽に発病した固体を隔離しましょう。その上で、塩浴・薬浴などを行います。
 

塩浴・薬浴をする際の注意点

腹水病の治療法で最もポピュラーなものは、塩浴と薬浴です。塩浴は塩を溶かした水でグッピーを泳がせ、自然治癒力を高めます。塩そのものが細菌に効果的なわけでないので注意しましょう。塩浴は0.3%からはじめ、最終的に0.7%まで上げます。塩水ではバクテリアが繁殖できず、水質も悪化しやすいので水替えはこまめに行いましょう。また、塩浴をはじめて2~3日の間は餌を与えずに様子を見てください。
塩浴で効果が見られない場合は、「観パラD」や「グリーンFゴールド」などを用いた薬浴を行います。必ず用法、用量を守って行いましょう。
 

ココア浴は評価が分かれる

グッピーの腹水病の治療法として広く知られているのが、無糖のココアを水に溶かす
「ココア浴」です。ココア浴は、水にココアを0.02~0.05%の濃度で溶かしてグッピーを泳がせる方法です。それで腹水病が治ったという報告もあれば、効果がなかったという報告もあります。科学的に立証されていない民間療法に近い方法なので、自己責任で行ってください。
 
 

グッピーの腹水病を予防する方法

 
グッピーの腹水病を防ぐには、大きく分けて2つの方法があります。1つ目はグッピーにストレスを与えないこと。もう一つはむやみにえさを与えないことです。
グッピーは強い魚ですが、水替えを怠ったり水合わせをいい加減におこなったりすると、ストレスがたまります。また、狭い水槽内での過密飼育やベタなどのほかの魚との飼育もグッピーにストレスを与える原因となるので注意が必要です。
また、エサは少なめに、常に食べきれる量を与えてください。エサが多すぎると水質の悪化やグッピーの肥満につながります。エサの鮮度にも注意が必要です。古い餌を多量に与え続けると、腹水病にかかりやすくなるので気をつけましょう。
 
 

腹水病は予防しやすい病気

 
今回はグッピーの腹水病について説明しました。腹水病は恐ろしい病気ですが、その一方で予防しやすいものです。適切な環境で少なめの餌でグッピーを育てれば、ほぼかかることはないでしょう。特に、初めて熱帯魚を飼育する場合、1日1度は水質や魚の状態をチェックしましょう。そうすれば、水替えのタイミングやえさの量などもわかりやすくなります。