初めてのグッピーの産卵

 
 
初めてグッピーを飼うことになったのは妻の希望からです。
私はプレコやシクリッドが好きで今までグッピーは飼ったことがありませんでした。
グッピーはオスの尾ビレが大きくてカラフルな色が特徴の熱帯魚で、
初心者にもおすすめできる熱帯魚です。
オスとメスを同じ水槽で飼うと子供が生まれやすい魚ということも、
妻がグッピーを飼おうと決めた理由の1つでした。
子供がたくさん生まれることが、
後になってパプニングをまきおこすとは、この時には夢にも思っていませんでした。
 
適当にオスとメスを5匹ずつ購入、
ペアで300円程度でしたので値段も手頃だったのを覚えています。
30cmの水槽で10匹はところ狭しと泳ぎまわっていました。
水槽には自分の趣味で一緒に購入したパンダコリドラスと
コリドラスステルバイが水槽の底を忙しそうに動き回っていました。
 
2週間もたった頃から、
1匹のメスのグッピーのお腹が大きくなり始め、
妻は産卵の期待をふくらませていたと思います。
そして産卵の日は突然やってきたのです。
 
たまたま日曜日の昼間だったので自分も立ち会うことができましたが、
気づくまでに生まれたグッピーの赤ちゃんはほとんどが食べられてしまったようです。
妻はこの時点では期待よりも不安のほうが大きくなっていたようでした。
「せっかく生まれたのに、全部食べられてしまったらどうしよう・・・」
こんな考えが妻のあたまをよぎっていたに違いありません。
 
そうこうしている間にも、
生まれた瞬間から水槽の底にたどり着くまでに
グッピーの赤ちゃんは食べられてしまっています。
妻は1匹でも助けようとして、
すくい網で生まれた瞬間にグッピーの赤ちゃんを保護しようと必死になっていました。
 
いま思えば網の中にお母さんグッピーを入れておけば慌てないで済んだのでしょうが、
その時はあわてていたため、そんな考えも思い浮かびませんでした。
「生まれたー」
と言っては網で保護して回収を繰り返していまます。
「うわー食べられたー」
というかわいそうなグッピーの赤ちゃんも何匹かいましたが、
それでも5匹くらいは無事に保護することができました。
 
保護したグッピーは隣にあったプレコ水槽に入れられて元気に泳いでいます。
お母さんグッピーのお腹も小さくなり、
もう生まれないことを確認してから私たちはやっと一息つけました。
「疲れた」
あれだけ期待していたにもかかわらず、
出産の後の妻の言葉には感動さえないほど疲れはてています。
その日のうちに妻と私が産卵ボックスを買いに行ったことはいうまでもありません。