過去の苦い思い出

 
 
私が小学生くらいの事でしょうか、おぼろげな記憶ですが両親が玄関でグッピーを飼っていた時期がありました。
 
主な世話は両親がしていましたが金魚とは違う珍しさ、特別感、シンプルにカラフルな見た目でガッシリと心を鷲掴みにされた幼い頃の私は、学校から帰るとランドセルを投げだし、しばらく眺めたり餌をあげたりして子供ながらに大切に可愛がっていました。
 
ある日グッピーを飼っているのをなんだか誇らしく思っていた私は、家の近所で遊んでいた出会ったお喋りで有名なおばちゃんにグッピーの事を自慢げに話しました。
 
すると「おばちゃんの家も熱帯魚飼ってるのよ!最近寒くなってきたから、ちょっとだけぬるま湯入れてあげたら喜んで元気に泳ぐ様になったのよ。」と教えてくれました。
この飼育方法が正しいかどうかは当時の私には分かりませんでしたが、何となく熱帯魚は暖かい方が良い。程度の浅い知識があったため、家に帰り早速試してみるのでした・・・
 
 
さすがにぬるま湯でも温度の高いものを入れるのはダメというのは当時の私でも分かったのでかなり、かなーりぬるめにしたもの(温度などは計っていませんが)をゆっくり少量ずつ入れていきました。
すると早速泳ぐのが速くなりグッピーが水槽内を賑やかに動き始めました。
「みんな元気になった。良い事したなぁ。」そんな事を思ってその日は眠りについたのでした・・・
 
翌朝ワクワクしながら、水槽をのぞき込むと・・・
数匹浮かんで死んでしまっていました。
少し嫌な予感はよぎりましたが、今までにもたまに死んでいることは何度かあったので庭に埋めて登校しました。
 
そして帰宅、嫌な予感は的中していました。
また数匹死んでいました・・・次の日も、その次の日も・・・
そこからの数日はもう地獄の様で、日に日に減っていくグッピーをただ見ていることしかできず、ずっと泣いていたのを覚えています。
 
結局庭にお墓を作り水槽は撤去、両親からはあまりに泣く私を見かねてか、あまり叱られませんでした。
 
原因の詳細は温度なのか、量なのか、環境を変えてしまったからなのか不明ですが、おばちゃんからは
 
「キチンとした根拠のある飼育方法を学んで実践しなさい。」
 
と教えられた気がする。過去の苦い思い出でした。