水草を投入

 
 
今回は、パイロットフィッシュを投入して水槽を回している間に、水草を入れてみたいと思います。
 
 

水草を投入

 
水草を飼育するのに必要なのは、ソイルという底砂利、もしくは、活着するのに使う流木です。
今回も砂利(ソイル)を敷かない方法で水草を投入する方法をお伝えします。
 
水草の種類のうち、活着をするタイプを使います。
つまり砂利に埋め込まなくても良い水草を選びます。
 
活着というのは、石や流木に根っこが張り付くことです。
コケ類はその体自体がくっつきます。
 
 

流木と水草について

 
まず流木と水草を用意します。
これをゴムバンドや糸で活着するまでの間、くっつけて結んでおきます。
 
流木
流木と水草をくっつける
ゴムか糸で縛る
 
 

アヌビアスナナ、ウィローモスについて

 
今回はアヌビアスナナという水草と、ウィローモスというコケの仲間を使ってみようと思います。
 

 
さて、流木を使用する際の注意点があります。
流木をそのまますぐ水槽にいれると、流木のアクが出て水槽が濁ってしまいます。
ですので、バケツに水を張り、流木を2晩ほどつけてあく抜きします。
早く処理するには、鍋でぐつぐつと煮沸させてあく抜きします。
 
それから初めて水槽に投入できます。
 
 

ウィローモスの巻き方について

 
ウィローモスだけを巻くとこのようになります。
 
ウィローモス投入
 
混合型になるとこのようになります。
 
ナナとウィローモス
 
 

初心者向け水草について

 
初心者にもお勧めな水草を三つ挙げます。
まず、アヌビアスナナ、それから、ミクロソリウム、そしてウィローモスの三種類です。
 
この三種類の水草がなぜお勧めかというと、とにかく丈夫であることと、安価であること、そしてこれが一番大きなメリットなのですが、強い照明を必要としないということです。
確かに成長はとても遅いのですが、薄暗くてもとにかく光があれば成長を続けることができます。
枯れることもほとんどないです。
 
また、水草を綺麗に維持するためには、二酸化ボンベからの二酸化炭素の供給も必要になるのですが、先にあげた3種類はこの二酸化炭素のシステムも無くても十分育ちます。
 
この三つの水草は共通して流木に活着しますので、砂利も敷かなくてよいということになります。
 
 

水草を入れる利点とは

 
ここで、水草を入れる利点を説明します。
ここからはやや専門的なお話にはなりますが、水草は見た目が良くなるということだけではないのです。
水質に関与もします。
 
順に説明しますが、まず、魚は餌を食べて、排泄物を出します。
その排泄物がバクテリアによって、猛毒のアンモニアになります。
 
このアンモニアをどうにかしないと魚はあっという間に死んでいきます。
このアンモニアを魚にとって無害化するために必須なのがろ過器ということになるのです。
 
ろ過器は単にごみをこしとるだけではなく、この有害物質を無毒化するという役目があるのです。
ろ過器のフィルターに定着したバクテリアが、有害なアンモニアを何回かに分けて、分解していくのです。
アンモニアを亜硝酸に分解、その亜硝酸をさらに硝酸塩へと分解します。
アンモニアと亜硝酸は魚には毒なのですが、硝酸塩は比較的、害とはなりにくいのです。
 
とはいっても、硝酸塩も魚にとっては毒ですので、これを取り除く必要が出てきます。
 
植物というのは、硝酸塩の形でチッソを吸収し、そして成長していくのですが、水槽内において、それを利用します。
つまり、魚の排泄物のアンモニアをろ過器で亜硝酸に分解、さらに硝酸塩に分解します。
そして、その硝酸塩を水草に吸収させて最終的に魚にとって有害な物質を取り除くという仕組みが出来上がります。
 
ですので、水草を投入することはとても利点があります。
 
 

コケで判断する方法

 
ここで、水槽をセットして間もない水槽には魚を入れることはできないですが、コケが生え始めたらそろそろ魚に適した環境になるので入れられる、ということを思い出してみてください。
コケも植物だということを考えると、コケが生えるということは硝酸塩が水槽内で生成されているという証拠になります。
 
つまり、硝酸塩が水槽内に発生しているということは、上で述べた浄化のシステムが出来上がっているということになります。
 
魚の排泄物→アンモニア→亜硝酸→硝酸塩→水草の養分として、というシステムとなります。
このシステムが出来ればいよいよ魚を投入して飼えるということになります。
 
このシステムができるまでがやや長い物で、1っか月はかかります。
 
 

ろ過バクテリアについて

 
工夫として、市販のろ過バクテリア製剤を投入し、パイロットフィッシュを投入することが挙げられます。
比較的早く環境ができると思います。
さらに、好都合なろ過バクテリアを増やすのに、酸素を必要としますので、エアポンプなどをつかってエアレショーンをすることも有効だと思います。
照明も一日数時間だけつけるように、そのまま回して、コケが生え始めれば、それが合図です。
 
あと、その空まわしの状態の時は、餌はなるべく少な目に入れましょう。
まだろ過バクテリアも整ってないので、丈夫とはいってもさすがにパイロットフィッシュも水質悪化で死んでしまうこともあります。
 
では今回は小型キューブ水槽を例に設置を説明いたしました。
 
次回は、その空回しをしている間に、本命の魚を決めてみたいと思います。
種類がたくさんあり、それぞれが違った魅力のある熱帯魚ですので、選ぶ時間はとても楽しいと思います。
また、一種類だけではなく複数種類混泳させたいといった場合もあると思います。
 
ですので、選び方等を次回じっくりと説明できたらいいなと思います。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございます。