本命の魚を投入

 
 
今回は、パイロットフィッシュをいれ十分空回しした水槽に、いよいよ本命の魚を入れていく手順をお伝えします。
 
 

水合わせについて

 
熱帯魚は通常、空気を詰めたビニール袋に入れ、保温のため新聞紙で包んで渡されます。
 
そして、いよいよ袋から出して水槽へ投入するのですが、その時には必ず「水合わせ」という作業をします。
熱帯魚ショップの水槽の水と、自宅の水槽の水は別物なので、急に魚を水槽に移してしまうとショックを受けてしまいます。
ですので、袋の水と水槽の水の温度を合わせて、さらに、徐々に水槽の水に慣れさせる必要があります。
 
 

袋のまま水温を合わせる

 
まず、水槽の水温と魚の入っている袋の水温を合わせます。
 
浮かべる
 
このように、袋を開けずにそのまま水槽に浮かべて30分くらい待ちます。
 
 

水槽の水を袋に注ぐ

 
それから袋を開けて、袋のフチをくるくると巻いて口を確保します。
その口から袋の中へ、カップなどですくって少しずつ水槽の水を注いでいきます。
写真は撮ってませんが、洗濯バサミを使って水槽に固定してからやると楽です。
 
カップで注ぐ
 
少し入れたら数分待って、また入れては数分待ってを繰り返し、水が袋いっぱいになったら袋の中身を全てバケツに開けます。
バケツに開けたら網で魚をすくい、魚だけ水槽に入れるのが通常です。
カップで少しずつ水を合わせていく方法のほかに、点滴法もあります。
 
 

点滴法について

 
まず同じように袋ごと水槽に浮かべ、30分くらいたったらバケツに開けます。
そして、チューブとコックを用意します。
 
バケツ側の出口のチューブを少し口で吸って呼び水をし、バケツを水槽よりも低いところにおいておけばあとはサイフォンの原理で水が流れ始めます。
そして、コックをひねって調節し、水量を点滴くらいに落とします。
 
点滴チューブ
コック
 
時間はかかりますが、先のカップで注ぐやり方よりも、もっとゆっくりと水合わせができます。
 
お勧めはこの点滴法です。
すべての魚に対応できるからです。
 
ついでにですが、この小型の水槽の水換えの時にも、このサイフォンの原理で水を抜くと便利です。
チューブが細いので排水にはやや時間がかかりますが、小さい水槽ではあるので問題にはなりにくいでしょう。
水を抜くときの注意点としては、稚魚や小さな魚もチューブに吸い込んでしまわぬように、魚をすくう用の網などで吸い込み口をガードしてやるということがあります。
 
キスゴムチューブ
 
写真のようにキスゴムでチューブを固定しておいて、出口にコックをつけておけば毎回の呼び水なしでコックを開けるだけで排水でき、全く手を濡らさずに換水できるようにすることも可能です。
 
 

トリートメントについて

 
ここで、中級者や、高額でデリケートな魚の場合、水合わせをしたあとすぐ網ですくって水槽に入れる前に、トリートメントを行う場合があります。
トリートメントというのは、例えば観賞魚用の治療薬や殺菌剤等を入れてしばらく置くことです。
デリケートな魚には必要だと思いますが、今回初めて熱帯魚を飼うという場合、当然丈夫な魚を飼うので、そこまでしなくても良いと思います。
 
それでも、出来ればやったほうが良いのは、アクアセイフという魚の皮膚粘膜を保護する作用のあるトリートメント剤です。
これは、魚を大事に扱うという観点からお勧めです。
 
 

魚の選び方について

 
ここで、実際に入れる魚の選び方をお伝えします。
 
選び方の第一条件に、まず丈夫であることが大事です。
そして、安価であること。
性格が荒くない事。
小型キューブで飼育するのに、成長しても大きくならない小型であること、などが挙げられます。
 
これに付け加えるなら、産卵や、稚魚が楽しめることも候補に挙げられます。
具体的な魚種名をお伝えしようと思います。
 
 

ネオンテトラについて

 
 

 
ネオンテトラは原産地がアマゾン川で、水質は軟水かつ弱酸性が最適です。
水温は25弱が最適とされています。
今回用意したヒーターは26度の設置温度ですが、このくらいの差であれば問題はありません。
一般に寿命は2年ほどですが、環境次第ではそれよりも長く生きることがあるそうです。
さらに、このネオンテトラには改良品種が数種存在しますので、あまり高額にならなければより綺麗な改良品種されたものを飼うのも良いと思います。
 
 

グローライトテトラについて

 
 

 
成長しきっても3センチまでです。
人工飼料も良く食べ、性格も温和で他の魚と混泳させることもできます。
水質は弱酸性です。
このグローライトテトラは上手に飼育していると卵をばらまく姿が見れますので楽しい魚です。
 
 

ドワーフグラミーについて

 
 

 
ドワーフグラミーの難点としてはやや性格が荒いことです。
ですので、もし飼育するのなら、雄雌の1ペアがお勧めです。
この魚は水質に対してかなり耐性があるので丈夫です。
最大の楽しみは交尾の姿で、とても神秘的です。
巣も独特で、自分の体で作る粘液と水を混ぜた泡状の巣を水面に作ります。
ですので、水面を叩いてしまうろ過器では巣が作りにくく、繁殖は難しいかもしれません。
こちらも改良品種がありますのでお勧めです。
 
 

コリドラスについて

 
 

 

 
水槽の底を主に泳ぐのですが、パイロットフィッシュにも使えるくらいなのでとにかく丈夫です。
体調は若干大きめの最大10センチです。
この魚はなんといってもその種類の豊富さです。
コリドラスをコレクションするのはスケールの大きい楽しみでしょう。
もちろん、種類によっては高額ですので、最初のうちはその種類は控えておいた方がよいでしょう。
底を泳ぐとお伝えしましたが、時たま腸管呼吸のために、水面まで一気に駆け上がってくることはあります。
性格は温和で、他の魚を攻撃することはめったにありません。
混泳にも向いています。
よく、掃除屋さんとも呼ばれるのですが、注意点は、コケは掃除してくれません。
こちらも上手に飼っていると、ガラス面にびっしりと卵を産み付けることがあります。
稚魚は小さいながらもコリドラスの形をしていて、とても可愛らしいです。
 
 

グッピーについて

 
 
グッピーオス
グッピーメス
 
熱帯魚は、グッピーに始まりグッピーに終わる、とどこかで聞いたような気がするほど飼いやすく奥の深い魚です。
最大の特徴は、卵胎生といって、メスがお腹の中で卵を孵化させて、始めから稚魚の形で産み落とすということです。
それから、遺伝により様々なもようとなり、品種が豊富にあります。
ただ、ケガをさせることは滅多にないのですが、他のグッピーを追い払ったりする程度の気性の粗さはあります。
寿命は短めの一年程度となっています。
しかし、稚魚の取りやすさから、世代交代で長く飼い続けることも可能です。
外国産グッピー国産グッピーとがあり、国産グッピーは日本でブリーダーが作出した作品であることが多く、高価にはなってしまいます。
外国産グッピーは、ミックスグッピーともいわれ、系統が固定されていなく、模様がまじってしまったりということがあるのですが、安価なのが魅力です。
初めて熱帯魚を飼うのであればまず外国産グッピーを増やせるくらいの飼育能力を付けたほうが良いです。
それからはじめて美しい国産グッピーを飼育してみるとよいと思います。
卵胎生で稚魚の形で産み落とされるので、繁殖はかなり容易なのも魅力のうちの一つだと思います。
 
ここまで、水槽に魚を投入する手順と初めて熱帯魚を飼うときの魚の選び方を説明しました。
 
次回は、換水の手順と、ろ過器の掃除の方法、魚の病気等について説明いたします。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございます。