ドクターフィッシュの飼い方

 
 

ドクターフィッシュの飼い方

 
 

ドクターフィッシュについて

 
ドクターフィッシュ
 

 
 
温泉や水族館で目にするこのドクターフィッシュですが、古い角質を食べてくれるという美容効果で有名になりました。
そんなドクターフィッシュは観賞魚店で簡単に入手することができます。
しかも値段も決して高くなく数百円で購入でき、また大変丈夫で、いろいろな水質に対しても耐えることができるため飼育がとても簡単です。
今回はそのドクターフィッシュの飼い方をご紹介いたします。
 
 

ドクターフィッシュの飼育の基本情報

 
ドクターフィッシュはコイ亜科の魚で、学名が通称のガラ・ルファと呼ばれています。
西アジアの河川に生息している淡水魚で、36度もの高水温でも生きることが可能です。
そのためトルコなどの温泉にも生息していることもあります。
普段は物陰や石の表面なでどでじっとしていますが、餌を求めるときには活発に泳ぎ回ります。
その食性は雑食性ですが、歯の無い口は吸盤状になっており、石や岩などに付着した藻類を吸いついて舐めるようにして食べています。
さらには底にいる微生物や昆虫の幼虫等も食べています。
繁殖方法は卵を産みますが、水草や藻類を産卵床とし、2~3㎜ほどの卵を産みます。
卵は水温26度前後の環境下では数日ほどで孵化します。
寿命は平均して6, 7年と言われていています。
知られているように私たちの古い角質を食べてくれるのですが、角質を食べてくれる時期は生後3か月くらいから2年ほどの間であると言われています。
幼魚のうちは群れで生活をしますが、成長するにつれ縄張り意識を持つようになります。
幅広い水質に対応できる反面、水質の悪化にはデリケートなので注意が必要です。
なお、海水魚のホンソメワケベラも英語でドクターフィッシュと呼ばれますが、こちらは他の海水魚の体に着く寄生虫を食べるためにそう言われています。
 
 

ドクターフィッシュの飼育に必要な物

 
 

トクターフィッシュ飼育の水槽

 
幼魚のうちはまだ小さく、縄張り意識もまだないので小さい水槽での飼育も可能です。
しかし、最大10㎝とやや大きくなり、縄張り意識も持つので60㎝サイズの水槽が必要となります。
60㎝サイズの水槽に対して数匹の飼育が目安となります。
もしも一匹だけを大事に飼育したい場合は規格水槽でいう45㎝サイズの水槽がお勧めです。
 
ジェックス サイレントフィット 600
 

 
 

ドクターフィッシュ飼育のヒーター

 
ドクターフィッシュは暖かい水を好む性質があるため、特に冬場では加温が必要になります。
他の熱帯魚と同じ26度の水温から、それ以上の水温になるようにヒーターとサーモスタットを選びましょう。
ヒーターのワット数は水槽のサイズに合わせて選びますが、一回り上の水槽サイズ用のヒーターが心配なく使用できるのでお勧めです。
また、高水温にも耐えられるからと言って急に水温を上げないように注意しましょう。
 
ジェックス スタンディ 160
 

 
テトラ (Tetra) 水槽 26℃ミニヒーター 100W
 

 
 

ドクターフィッシュ飼育のろ過器

 
ドクターフィッシュは幅広い水質、水温に適応することが可能ですが、水質の悪化にはデリケートです。
そのため、ろ過器は能力の高い物を使うことをお勧めします。
または、複数のろ過器を組み合わせて使用することも有効ですが、小型の水中フィルターをお勧めします。
 
ジェックス メガパワー2045
 

 
テトラ (Tetra) マイクロフィルター
 

 
 

ドクターフィッシュ飼育の照明

 
ドクターフィッシュは綺麗な銀色の体色なのですが、照明が当たらない環境だと色が薄くなってしまうので、照明は付けた方が良いでしょう。
また、照明によってコケが増えるかもしれませんが、ドクターフィッシュはコケ取りの魚としても利用されます。
 
LEDアクアリウムライト
 

 
 

ドクターフィッシュ飼育の餌

 
ドクターフィッシュは石や岩についたコケを舐めるようにして食べているため、植物性の人工飼料で飼育が可能です。
 
テトラプレコベジー 110g
 

 
 

ドクターフィッシュの治療効果

 
ドクターフィッシュには歯がないため、肌を傷つけることなく綺麗にしてくれます。
そして、アトピーなどの皮膚病の治療にも効果があるとされています。
また、吸い取るようにしてついばむ際の優しい刺激にはマッサージ効果やリラクゼーション効果もあると言われています。
皮膚の治療効果以外に、本来は臆病なはずの小さな魚が人に集まってくるということから、精神的に安らかな良い効果をもたらすこともあるということです。
これらの理由からドイツやトルコではドクターフィッシュの治療は保険適用の医療行為としても認められているそうです。
ところが良い事ばかりでもなく、国によっては不特定多数が水槽を利用するため、感染率は低いとされるがHIV等への感染の注意から衛生を保つようにと指導がなされています。
ドクターフィッシュは皮膚に病気を持った人の皮膚も食べていることもあります。
そのドクターフィッシュが例えば傷口などに触れてしまうことにより、皮膚の病気が感染する可能性があります。
そのため、手や足に傷口がある場合は、ドクターフィッシュに触れることは避けたほうが良いでしょう。
それから、当然ですがあまりに汚い手足や、洗剤などがまだ残った手足を水槽に付けるとドクターフィッシュ自身が死んでしまうこともあるため、十分注意しましょう。
もう一点、治療とは別の事なのですが、このところドクターフィッシュとしてその偽物が安く流通しているようです。
この魚はカワスズメ科の別の種です。
この偽物の魚にはドクターフィッシュとは違い歯があるため、皮膚が傷つくというトラブルがあります。
また、成長するとドクターフィッシュとは性格が大きく異なり、同種の魚同士で争いを始めるため、飼育が困難になります。
購入の際には十分に確認するよう注意しましょう。