金魚のかかりやすい病気は以外と多い? 対処方法や予防方法を紹介

金魚

金魚は最も身近な観賞魚です。さまざまな種類があり、最初に飼った魚が金魚という熱帯魚愛好家も多いことでしょう。金魚は手軽に飼育できるイメージが強い魚ですが、適切な方法で飼育しないと病気にかかりやすくなります。魚の病気は早期発見早期治療が重要です。今回は金魚がかかりやすい病気を対処方法や予防方法と共に紹介します。金魚を飼育している方、これから金魚中心の水槽を立ち上げたい方は、是非この記事を読んで参考にしてください。

金魚がかかりやすい病気

はじめに、金魚がかかりやすい病気の代表例を紹介します。金魚がかかりやすい病気にはどのようなものがあるのでしょうか?

カラムナリス病

カラムナリス病は、「カラムナリス菌」という細菌感染のよって発症する病気です。この菌は魚の体表にコロニーを作り、その部分を腐らせてしまいます。そのため、「尾ぐされ病」や「エラ腐れ病」といった別名もあります。尾ぐされ病は尾にカラムナリス菌が感繁殖した場合、エラ腐れ病はエラにカラムナリス菌が繁殖した場合の病名です。症状は、尾やエラが腐ってボロボロになっていきます。

エロモナス感染症

エロモナス感染症は、エロモナス菌に金魚が感染したことで発症します。複数の症状が現れ、症状によって以下のような別名があります。
* 立鱗病(松かさ病):鱗が松ぼっくりのように逆立ってしまう
* ポップアイ:眼球が異常に飛び出す
* 穴あき病:鱗が充血してはがれ落ち、真皮が見えてしまう
* 赤斑病:体・目・ヒレ・ヒレの付け根に内出血のような赤い点や発疹が出る

エロモナス菌は水中の常在菌です。どこの水槽やにもおり、魚が健康だと問題ありません。しかし、水質が悪化すると大繁殖し、発症する確率が上がります。エロモナス菌が繁殖した水槽だと金魚の集団感染、集団死も起こりますので気をつけましょう。

白点病

白点病は、金魚以外の魚もかかりやすい病気です。「イクチオフチリウス」という線毛虫の一種が魚の表皮に潜り込むことによって発症します。発症すると小さな斑点がひれや身体にでき、そこを水槽などにこすりつけてかゆがるのが特徴です。症状が進めば、体中が真っ白になって絶命してしまいます。「イクチオフチリウス」は25℃以下の低い水温を好むので、冬になると発症率が上がります。金魚の身体に白い斑点が現れたら注意してください。

水カビ病(綿かぶり病)

水カビ病(綿かぶり病)は、その名の通り「水カビ」という魚に寄生して発症する病気です。水カビもエロモナス菌同様どこの水中に常在している菌で、魚が健康ならば寄生されることはありません。しかし、何らかの理由で金魚の身体に傷ができた場合、そこから水カビが侵入して発症します。水カビ病を発症した金魚は白いワタにつつまれたような状態になり、やがて衰弱死することもあります。

白雲病(しらくもびょう)

白雲病とは、鞭毛虫(べんもうちゅう)や繊毛虫(せんもうちゅう)に金魚が寄生されることで発症します。魚の体表から分泌される粘液を餌に増殖するため、水カビ病に似て、魚体が白い雲に覆われたような状態になります。

ポックス病

ポックス病は魚体の表面に、乳白色の肉腫(にくしゅ)・おでき・こぶができる病気です。感染している個体が1匹でもいると群れの中に広がっていきます。感染場所はペットショップということも珍しくありません。発症した金魚は徐々に弱り、やがて死んでしまいます。

金魚

金魚が病気にかかった場合の治療方法

では、金魚が病気になったらどのような治療方法があるのでしょうか? この項では、ち両方の一例を解説します。

隔離

金魚は群れでの行動を好みます。和金のような小さい金魚を多数で飼うのも美しいものです。金魚の病気が発症した場合、まずは病気の個体を隔離してください。そのままにしておくと感染が広がってしまいます。また、病気が出た水槽はすぐに水を替えて水質を浄化しましょう。

薬浴

カラムナリス病・エロモナス病・白点病などは、薬浴が効果的です。グリーンFリキッドなどの薬剤が市販されています。金魚の薬浴には短時間薬浴と長時間薬浴があります。短時間薬浴は高濃度の薬液に金魚を数分間つける方法です。長時間薬浴は水槽に直接薬液をいれる方法です。薬によって使い分けてください。なお、用法・容量は必ず守りましょう。多く薬を入れると魚を弱らせてしまいます。

塩水浴

塩水浴は、0.5~1%の塩水の中に金魚を入れ、細菌を殺す治療方法です。白雲病(しらくもびょう)やエロモナス病などが効果があります。塩水浴は必ず病気の個体を隔離して行ってください。水槽に直接塩を入れてはいけません。また、病原菌や寄生虫は低温を好むので、水温を25℃以上に保っておきましょう。

金魚

金魚の病気予防は水質管理が第一

病気の原因である細菌や寄生虫などは、低温かつ汚い水で繁殖しやすくなります。金魚は簡単な設備で飼育するケースも多いですが、長期間飼育するためには、水を循環させて汚れが溜まらないようにして、水替えもこまめに行いましょう。また水温管理も大切です。水温は25℃以上に保ってください。

個体選びも気をつける

金魚は一部の種類を除いて安価な値段で販売されています。そのため、ショップによっては金魚の管理がいいかげんなところもあるのです。ですから、金魚を購入する場合は信頼の置ける管理が行き届いたショップを選びましょう。また、お祭りなどで行われる金魚すくいの金魚も管理状態がいいとはいえません。そのような個体はしばらく隔離し、病気を発症していないかどうか確かめてから群れに合流させてください。

金魚

まとめ

今回は、金魚が発症しやすい病気について解説しました。金魚が発症しやすい病気はほかの魚も発症しやすいものが多いです。ですから、金魚とほかの魚を一緒に飼育している場合も今回ご紹介した病気に気をつけましょう。特に、小さい金魚は病気を発見しにくいので,こまめな観察が大切です。また、水質管理に気を遣うだけで病気の発症率を下げることができます。