ベタとの出会いは喫茶店

 
 
出張先でとある喫茶店に入ったときのことです。
カウンター席のほかに4つのテーブルがあり、それぞれに小さなコップが置いてあります。
よくみると魚でした。
でも全く動かないので、じっと見ていると、店主が「ベタというの」と話しかけてきました。
そして、別のコップのベタをとなりに並べると、2匹とも忙しく動きだしました。
ケンカするので一緒にできない、闘魚と呼ばれるほど縄張り意識が強いとか。
そのベタは青く輝く美しい大きな尾ヒレが印象的でした。
コップに入れたままで大丈夫なのか聞くと「ブクブクなしでいいの」と。
 
それからしばらくして、休日に商店街をぶらぶらしていたのですが、
なにげなく横道に抜けてみたら熱帯魚店がありました。
ベタを探して店内に入ると、とても美しい混色のベタがいました。
明るい青に赤色のすじが映える尾ひれ、電灯の光で体がエメラルドグリーンにも見えます。
お店の人に少し話を聞いていたら「ブクブクなしでいいからね」と。
前の喫茶店の店主も同じ言い方をしていたなと思い出してちょっと笑ってしまいました。
そのベタは本当にきれいでずっと眺めていたくなるくらいでした。
ついに家で飼うことに決めました。
 
美しいベタに喜んだのは、家で飼っている2匹の猫たちでした。
興味津々でずっとジロジロのぞき込んだり、水槽の水のにおいをかいだりしてくるのです。
もちろん、観賞したいのではありません。
ベタVS猫の対策も考えなくては、と悩みつつベタとの暮らしが始まりました。