もう1つの楽しみについて

 
 
熱帯魚といえば、優雅に水槽内を泳ぎ回る色とりどりの魚たち。
次はどんな魚を入れようか、相性はどうだろうか、そんな空想に耽りながら、
少しずつ水槽の中の熱帯魚が増えていく事が飼育の醍醐味と言えるでしょう。
 
熱帯魚の飼育をした事がない方は意外に感じるかもしれませんが、
もう1つの楽しみとして「水槽そのもの」を作り上げていくという作業があります。
底砂や水草、オブジェなどが何も無い水槽で泳ぐ熱帯魚というのは、
いかにも空疎な感じがあってその美しさも半減するものです。
しっかりと底砂が敷き詰められて、
黄色や緑の鮮やかな水草がキラキラとライトアップされた中で熱帯魚が泳ぎまわる姿が
1つのパッケージとして美しさを演出するのです。
 
もちろん底砂や水草なしでも熱帯魚は飼えますが、
底砂はバクテリアの繁殖や水質安定化に効果がありますし、
水槽内に水草を植えることは、
見た目の美しさもさることながら水質をきれいにしたり、
魚の隠れ場所としてストレスを軽減したりという効果もあります。
 
水槽に入れる種類や量など、底砂1つ取っても多種多様ですし、
水草に至っては色や形、大きさなど何百種類もあるので、
魚との相性を考えるとその組み合わせは無限になります。
こうして底砂の種類や敷き方、緑の配置やオブジェのレイアウトなど、
自分のセンスや好みで1つずつ選んで、
世界に1つだけのオリジナル水族館を作り上げて行くことが、
魚の飼育と並び、もう1つの大きな楽しみでもあるのです。