簡単ではないけど楽しい!ベタを繁殖させる方法と注意点

ベタ

ベタは飼いやすいだけでなく繁殖しやすい魚としても知られています。ベタの飼育になれてきたら、「ベタを繁殖させてみたい」と考える人もいるでしょう。しかし、ベタの繁殖は決して簡単ではありません。「やってみたけれど失敗してしまった」という人も多いのです。今回は、ベタの繁殖方法や注意点、成功させるポイントを解説します。

ベタは本当に繁殖させやすい魚?

はじめに、「ベタは繁殖させやすい」という話しは本当なのかどうか。ベタの繁殖を考える際に確かめておく点などを解説します。

ベタの繁殖は環境を整えないと難しい

ベタは初心者でも飼いやすい魚と言われ、小さなビンに入れて販売されていることもあります。ビンで飼育している人もいるでしょう。しかし、ベタの繁殖は環境を整えなければうまくいきません。入れた水深15cmほどの水槽を用意し、水温をベタが好む25~28℃くらいに調節して、オスとメスを同時に飼育しなければ、繁殖は難しいと考えましょう。

健康なメスを手に入れるのが難しい

数多く流通している美しい尾ひれを持つベタは、全てがオスです。メスは尾ひれも小さく地味なので、流通量がオスに比べてはるかに少なく、手に入れるのが難しいのです。また、種類が違うオスとメスを組み合わせると、種類特有の尾ひれの特徴が子供に現れないこともあります。ですから、オスと同種で健康なメスを手に入れないと繁殖は難しいでしょう。一番簡単なのは、ベタを繁殖しているブリーダーやペットショップを探し、メスを分けてもらうことです。

生まれたベタの対処を決めておく必要がある

健康なメスとオス、繁殖に適した環境があればベタの繁殖は他の熱帯魚よりは簡単です。初心者でも50匹以上の稚魚を誕生させることも難しくないでしょう。しかし、誕生した熱帯魚も飼育しなければなりません。50匹以上のベタを飼育するのは大変です。ですから、誕生したベタは引取先を決めておく必要があります。ベタは一定の需要があるので、買取してくれるペットショップもあります。しかし、尾ひれが美しくしく成長しなかったり不健康だったりするベタは買い取ってもらえません。ですから、ベタの幼魚専門の水槽を用意して一定期間飼育する必要があります。手間も費用もかかることでしょう。

ベタを繁殖させるために必要な準備

ベタ

この項では、ベタの繁殖に必要なグッズを紹介していきます。どんな道具があればベタをうまく繁殖させることができるのでしょうか?

水槽・ヒーター・ライト・ポンプ

ベタを繁殖させるためには、最低でも30cm四方の水槽が必要です。ベタは25~28度の水温で繁殖するため、その温度を保つためのヒーターも必要です。ベタは強い水流を嫌いますが、無水流より弱い水流があった方がいいでしょう。そのため、ポンプがいります。

水草

ベタは、オスが泡巣を作ります。泡巣は何もないところでも作りますが、水草があった方が泡巣を作りやすくなります。水草は何でもかまいませんが、水面付近に水草があった方がより作りやすい傾向があります。ですから、安価な浮き草を2~3個水槽に入れておきましょう。

健康状態の良いオス・メス

ベタを繁殖させるには健康状態のよいオスとメスが必要です。メスは発情すると
抱卵して腹部の卵が白っぽく透けて見えます。また、オスは泡巣をたくさん作っている個体がおすすめです。なお、ベタは違う種類のものでも繁殖は可能です。しかし、違う種類同士のベタを掛け合わせると、原種に近い幼魚が生まれやすくなります。ですから、同じ種類のベタを用意しましょう。

ベタの繁殖方法

ベタ

この項では、ベタの繁殖方法について解説します。どうすれば、上手に繁殖させることができるのでしょうか?注意点も同時に解説していきます。

ベタを飽食させる

繁殖させたいベタは餌を多めに与えます。栄養を付けさせることで、産卵が成功しやすくなるでしょう。ただし、食べさせすぎないように注意が必要です。

ベタのお見合い

繁殖可能なメスとオスでもいきなり同じ水槽に入れてはいけません。オスとメスを顔が見えるように別々の水槽に入れて1週間ほど置きます。オスがヒレやエラを広げて求愛行動を行い、メスの身体に婚姻線という縦線が表れれば、お見合い成功です。繁殖用の水槽に入れましょう。25~28度に水温を保っていることを確認して入れてください。2~3日中に産卵が始まればお見合い成功です。1週間たっても産卵せず、オスがメスを攻撃し続けている場合は、お見合いは失敗なので、2匹を引き離しましょう。

ベタの産卵

ベタのオスは泡巣の下でメスを抱きかかえるように産卵させ、卵を泡巣の中に入れます。産卵が終わったらメスは別の水槽に移してください。卵の世話をするのはオスです。卵がかえるのは24時間後です。それまで注意深く観察してください。

ベタの子育て

ベタの幼魚はヨークサックと呼ばれる栄養袋を持って生まれます。栄養袋の中には2~3日でなくなりますが、それまではベタのオスが世話をします。ヨークサックがなくなり、ベタの幼魚が泳ぎだしたら、オスも別の水槽に移しましょう。

ベタを繁殖させる際の注意点

ベタ

この項では、ベタの繁殖をさせる際に注意すべき点を紹介します。コレに注意すれば、繁殖の成功率は上がるでしょう。

水深は浅く

ベタを繁殖させる際、水深は15cmほどの浅さにします。浅い水深の方が幼魚を育てやすいのです。

ベタの幼魚は餓死に気をつける

ベタの幼魚の死因は餓死がほとんどです。ベタの幼魚はPSBやインフゾリアといった餌をまず与え、成長してきたらブラインシュリンプを与えましょう。そうすれば、餓死を避けられます。ブラインシュリンプは熱帯魚を扱っている店で手に入ります。ブラインシュリンプは寿命が1日と短いので、こまめな観察と管理が必要です。

ベタの繁殖はこまめな観察が大切

ベタを繁殖させるには、トラブルがないかこまめに観察しておくことが大切です。1日目を離すだけでオスとメスが攻撃し合ったり幼魚が餓死したりします。ですから、時間に余裕があるときに行いましょう。

まとめ

ベタは熱帯魚の中では繁殖させやすいのですが、繁殖させるには費用と手間がかかります。繁殖させる場合は、幼魚の行き先まで考えてから行いましょう。そうすれば、繁殖の過程も楽しめます。