カージナルテトラは、腹部が鮮やかな赤、背部が複雑な青色をしている小型の熱帯魚です。ネオンテトラとよく似ていますが、1cmほど体長が大きい魚です。カージナルテトラは小型の熱帯魚の中ではトップクラスに育てやすく、50匹程度を一度に飼育し、群泳を楽しめます。今回は、カージナルテトラの飼育方法や注意点、初心者が特に気をつけるべきことなどを解説します。
カージナルテトラの特徴と初心者向けの理由
はじめに、カージナルテトラの特徴や、アクアリウムの初心者に飼育が向いている理由などを紹介します。
カージナルテトラは南米原産の熱帯魚
カージナルテトラは、背中側が青銀色、腹側は赤、腹と背中色が変わる当たりにメタリックブルーの線が走ったように見える色鮮やかな熱帯魚です。南米のアマゾンが原産の魚で、最大体長は4~5cmほどになります。非常に穏やかで臆病な性格なので、一匹で買うより数十匹で飼育した方がうまく育ちやすいでしょう。ネオンテトラとよく似ていますが、体長が1cmほど大きくなります。
カージナルテトラは纏めて飼育することができる
前述したように、カージナルテトラは飼育環境さえ整えてあげれば、十匹以上の群れで飼育することができます。アクアリウムに興味がある方ならば、一度は多くの熱帯魚を群泳させてみたいと思うことでしょう。カージナルテトラならば、初心者でも一度に多くの数を飼育することができます。臆病で穏やかな性格なので、ケンカをすることもありません。
カージナルテトラは水質の悪化に強い
カージナルテトラは水質の悪化に強いので、水温や水質が変わったら即死んでしまうことはありません。ですから、初心者にも飼育しやすい魚と言われています。また、価格も安く1匹100~200円で購入できます。そのため、初心者向けの熱帯魚と言われています。
カージナルテトラの飼育方法
この項では、カージナルテトラの飼育方法や注意点を具体的に解説していきます。どんな注意点があるのでしょうか?
カージナルテトラの飼育に必要な道具
カージナルテトラは、以下のような道具を揃えて飼育をはじめます。
水槽:30cmサイズ~60cmサイズがおすすめです。60cmなら、50匹程度は一度に飼育できます。「ジェックス 水槽 グラステリア スリム600」のように、クッションマットやフィルターなどが全部セットになったものを買ってもいいでしょう。
フィルター・ヒーター・ライト:フィルターは水をろ過し、水流を作るため、ヒーターは水温を保つため、ライトは魚体の発色をよくするために使います。個別に好きなものを買ってカスタマイズしてもいいでしょう。なお
底砂:一般的なものでかまいませんが、カージナルテトラは弱酸性の水を好むので、サンゴのように水の酸性値を変えてしまうようなものは避けてください。
水草:グロッソスティグマ、リシア、ミクロソリウム、ヘアーグラスのようなあまり背が高くならない水草を多めに植えてください。
そのほか 水槽には必ず蓋をつけましょう。また、水温計でこまめに水温を確かめる習慣をつけておくといいですね。
餌:カージナルテトラの餌は、「テトラプランクトン 小型熱帯魚の主食」のような人工餌や、アカミミズなどがおすすめです。できるだけいろいろな餌を食べさせた方が発色がよくなるので、エサのバリエーションは豊富にしておきましょう。
カージナルテトラが好む飼育環境
カージナルテトラは弱酸性の水を好みます。ですから、まずは水槽を立ち上げてから魚を迎えましょう。カージナルテトラは泳ぐのが苦手なので、強い水流だと泳ぎません。フィルターをオンにしてみて、水流が強すぎる場合はスポンジなどをつめて弱めてください。水温は23~28℃前後を保ち、30℃以上、23℃未満にならないように気を付けてください。
カージナルテトラは水温低下に注意する
カージナルテトラは、適した環境下で飼育すれば4年前後は飼育できます。硝塩が蓄積した水が苦手なので、1週間に1度程度の割合で、3分の1ずつ水替えしましょう。また、カージナルテトラは低温になると白点病を発症しやすくなります。水温が23℃以下にならないように、こまめに水温計を確認してください。
餌は1~2分で食べきる量を
カージナルテトラの餌は、朝夕2回、1~2分で食べきる量を与えます。用量のやや少なめからスタートして、様子を見て増やしてください。餌を多めにし過ぎると水が汚れやすくなります。ミナミヌマエビと一緒に飼うと水底を掃除してくれます。あまりに餌を食べない場合は、ストレスを感じている恐れがあるので、隠れ家を増やすなど工夫してください。
ライトで発色を促す
カージナルテトラの美しい色はライトに当てることでより鮮やかになります。日のあたらない場所で飼育していると色あせしやすくなるので、ライトで調節しましょう。初心者がやりがちな失敗として、ライトを十分に当てずにカージナルテトラが色さえしてしまった。日向に水槽を置いておいて水温が上昇しすぎたというものがあります。ですから、直射日光が当たらない日当たりがいい場所で水温をキープしつつ、ライトで発色を促しましょう。
群泳させたい場合は少し大きな魚と一緒に飼う
カージナルテトラを常に群泳させたい場合は、モーリーなど少し大きな魚と一緒に泳がせるといいでしょう。ただし、ほかの魚と一緒に飼育することは、それだけ水槽の管理が大変になります。まずはカージナルテトラだけを飼育し、慣れたころほかの魚を入れましょう。なお、ミナミヌマエビくらいならば、最初から一緒に飼っても大丈夫です。
カージナルテトラの繁殖は難しい
カージナルテトラは群れで飼育するので、水温が25~28℃で栄養状態がよければ、カップルが生まれることもあります。しかし、カージナルテトラの卵はとても小さく、ほかの魚に瞬く間に食べられてしまいます。そのため、水底に底の浅いプラスチックケースに目の細かい網をしいて作った産卵ケースを造っておきましょう。そうすると、カージナルテトラの卵がそこに落ちてくれます。卵を見つけたらすぐに隔離し、水温24~28℃に保って24時間くらい場所に置くと孵化します。ただし、稚魚はとても小さいので、「インフゾリア」などではないと食べられません。ですから、うまくブラインシュリンプが食べられるくらい大きくするまでに死んでしまうことが多いのです。カージナルテトラの繁殖にチャレンジしたい場合は、ネオンテトラの飼育になれ、十分な時間を繁殖に割けるときに行いましょう。
まとめ
カージナルライトは1度にたくさん飼育できます。水温が下がりすぎると病気になりやすくなり、臆病なためにストレスも感じやすい魚です。ですから、安心して隠れることができる水草をたくさん植え、水温に注意して飼育しましょう。ライトも忘れずに当ててください。