グッピーの病気 – 尾ぐされ病

グッピーのかかりやすい病気の一つに、尾ぐされ病というものがあります。

 

尾ぐされ病について

 
おぐされ
おぐされ

 

尾ぐされ病の原因

 
カラムナリス病とも言われ、このカラムナリスという菌が原因で引き起こす感染症です。
グッピーのヒレに組織の溶解を引き起こします。

尾ビレを中心とした各ヒレが白く濁ったり、ボロボロになってしまうといった症状がでます。
これが重症化しますと、ヒレが溶けるようにして消滅して、衰弱死することもあります。

カラムナリス菌自体は常在菌として水中にいる細菌で、グッピーの免疫力があれば、発症することはありません。

グッピーの飼育環境が整っていれば免疫力を失うことなく、発症もし難いので、グッピーにとって適した飼育環境を維持することが最も大切なことです。

ヒレが溶けてしまう原因としては、カラムナリス菌が発生させる、たんぱく質の分解酵素です。
このカラムナリス菌が原因となって発症する病気には他に、口ぐされ病やエラぐされ病があります。
尾ぐされ病、口ぐされ病、エラぐされ病のいずれも、カラムナリス菌が発生させたたんぱく質分解酵素により、グッピーの体の各部位がダメージを受けてしまっている状態です。
カラムナリス菌が感染した箇所によって、病名が異なっているだけです。
いずれも治療法や対処は同じです。

カラムナリス菌は細菌のなかでも好気性の細菌なので、その活動には酸素が必要です。
グッピーの体の内部など、酸素にあまり触れられない場所では活動や繁殖ができません。
ですから、感染する場所は体の表面やエラなどになるのです。

 

塩水浴のやり方

 
尾ぐされ病の治療方法に、まずは塩水浴があげられます。
尾ぐされ病の症状が見られたら、治療用の水槽を用意し、病気になったグッピーをそこに隔離します。
初期の段階であればカラムナリス菌は塩分に弱いので、塩水浴させることにより治療が可能です。
塩水の塩分濃度としては、0.5%が目安です。
10リトルの水に対して塩を50g溶かします。
なお、塩水浴させるときはいきなり塩水に入れることはせずに、購入したグッピーを水槽に入れる場合と同様、水合わせをしてから塩水浴させます。

塩水浴の期間は、一日程度で良いでしょう。
一日塩水浴をさせたら、再度水合わせをしっかりしてから飼育水槽に戻します。
そのあとに経過をみて、症状が回復しない場合は、塩水浴を繰り返し行うようにします。

塩水浴の他に、治療薬の投与でも治療できます。
治療薬は、塩水浴をしても症状が良くならない場合や、病気を発見した段階ですでにヒレが裂けるなどしていて重症な時に有効です。

グリーンFゴールド等、尾ぐされ病の薬がありますが、使用する際は、説明に書いてある規定量を守って使いましょう。

塩水浴をする治療用水槽においてはろ過器を稼働させても良いです。
ただし、塩水はとても傷みやすいので。普段より早めに換水をしましょう。
その際は飼育水槽と同じように、全部の水は換えず、二分の一以上は水槽に残しておきましょう。

塩水浴に使用する塩ですが、一般的な通常の塩で十分問題ありません。
ただし、添加物等が含まれているような塩は避けましょう。
また、粗塩や岩塩を使用することは可能ですが、含まれる不純物により、普通の塩を溶かした時よりもやや濃度の薄い塩水となります。
治療に十分な塩分濃度に満たないので、注意しましょう。
不安であれば、塩水浴や魚用の塩も売っているので、それらを使用すると良いでしょう。

 

薬浴について

 
薬浴する治療用水槽ですが、通常、ろ過器は使用しません。
なぜかというと、薬によって、ろ過バクテリアも死滅させてしまうため、生物ろ過が出来なくなるからです。
ただし、エアーリフト式のフィルターなどを使用する場合は、二酸化炭素をおいだし、酸素を水槽内に送れるので、酸素量が少なくなりがちな狭い水槽などには有効です。
ろ過器ではなく、通常のエアレーションをしても良いです。

ろ過バクテリアが死滅し、生物ろ過が行えないということは、薬浴用の水槽の水がすぐに汚れることになります。
ですので、薬浴の場合は2~3日ごとに、また半分くらいの水を残し、換水しましょう。
換水時には薬も排出してしまうので、規定量を新たな水のために注意して使いましょう。

塩水浴や薬浴をしている間、短期間であれば餌はやりません。
塩水浴では新たに水槽を立ち上げることになるので、ろ過バクテリアがろ過器にまだいない状態で、餌をやった場合、グッピーが排泄をすればたちまち水が汚れてしまいます。

また、薬浴に関してはろ過バクテリアも死滅させていますので、餌をやればそのまま水が汚れたままになります。

ただし、回復までに時間がかかり、治療が長期になる場合は餌を与えます。
あまりにも餌を与えないでおくと、絶食状態となります。
そうなると、グッピーの体力が落ちて、回復しにくくなってしまいます。
病気の時は、グッピーの食欲も落ちます。
餌は、普段よりも少なくして様子を見てあげるようにしましょう。
また、食べ残しがあるとすぐに水が汚れてしまいます。
もしも餌を残した場合は必ず水槽から取り除くようにしましょう。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございます。