レッドチェリーシュリンプの飼育方法

レッドチェリーシュリンプ

さまざまな色の小型シュリンプが人気を集めていますが、今回はその飼育方法についてご説明します。

小型シュリンプの代表

様々な色の小型シュリンプがいますが、基本はレッドチェリーシュリンプで、現在はその改良品種が数多く流通しています。

レッドチェリーシュリンプの基本知識

レッドチェリーシュリンプは、カワリヌマエビ属に属する淡水エビです。
野生での本来の体色は茶色や緑ですが、観賞用にその品種改良として赤に変異した個体が、レッドチェリーシュリンプとして主に販売されています。
体調は成長した個体で4㎝になります。
レッドチェリーシュリンプに適したPH6.5~8.0で、水温14~29度と言われていますが、実際には20~25度での飼育が適しています。
食性は雑食で主にコケ類を食べて生きています。
寿命は短く、1~2年です。

小型シュリンプ飼育に必要な物

水槽

小型シュリンプは最大4㎝と小型のため、その飼育水槽も5~20cmで十分です。
中にはボトルアクアリウムを楽しむ方もいらっしゃいます。
ところが、水槽が小さければ小さいほど、水質の管理や与える餌の量など、気を付けるレベルが高くなってきます。
例えば水量の少ない水槽では、水の蒸発での水量の低下ですら大きな事柄になります。
30cmほどのキューブ水槽や、オーソドックスな規格水槽の60cm水槽をお勧めします。

ジェックス グラステリアキューブ300セット 水槽 フィルター付

ジェックス グラステリアサイレント600ST 静音フィルター付

ろ過器

基本的にはセット水槽に付属のろ過器で十分ですが、シュリンプの数などによって複数のろ過器を組み合わせることも大変効果的です。

外部式

外部式フィルターは、水槽に大きくスペースを確保しつつ、容量の多いフィルターによって強力なろ過能力を持ちます。
水質のコントロールをしたり、バクテリアを多く定着させたり、中に入れるろ過材で調整が可能です。
また、水草とも大変相性が良く、それはCO2の水槽外への放出を最小限に抑えることができるからです。
気を付ける点は、標準の吸い込み口で大きくあいたストレーナーとなっているので、小さなエビを吸い込んでしまわないように、別にスポンジのストレーナーカバーを用意する必要があります。

テトラ (Tetra) バリューAXパワーフィルターVAX-60

底面式

底面式も小型エビ飼育で多く使われる方法です。
水槽の底面にスノコ上のフィルターを設置し、そこ底砂を張ることにより、その底砂をろ過材としてろ過する仕組みです。
大体はエアーリフト式といい、エアーポンプを使用し作動させます。
また、底砂にはシュリンプのためにソイルやシュリンプ用砂利を用いることが多いです。
この方法の利点は、ソイルには小型シュリンプの成長に有利な栄養素が含まれており、その栄養素を効率よく水中に回すことができることです。
ただし、どうしてもソイルの崩れや泥化があるため、水槽のリセットが強いられることが挙げられます。

ニッソー 新バイオフィルター45

スポンジ式

ブリードには最適なスポンジフィルターですが、エアーポンプで作動させるものが主流です。
こちらはサブのろ過器として用いられることも多く、メンテナンスが大変楽だという利点があります。
水流も穏やかで砂を巻き上げることもなく、また、スポンジなので稚エビを吸い込んでしまう心配もありません。
価格も低めという面があります。

テトラ (Tetra) ブリラントフィルター

投げ込み式

投げ込み式とはつまり水中ろ過器のことで、非常にコンパクトながら水槽の下部から水を吸い、水槽上部に排出するという構造のため、循環を作りやすい利点があります。
メインとしての使用も、サブとしての使用もできます。
また大変静かだということも大きな特徴です。
CO2の水槽外への放出もないため、水草との相性も抜群です。
ただし、ろ過材の目詰まりには気を付けなければなりません。

ジェックス コーナーパワーフィルター2

外掛け式

外掛け式のろ過器は小型水槽のメインのろ過器として使われます。
ろ過槽が水槽の外部に位置するので、小さい水槽でもスペースを確保でき、水中フィルターで水を汲み上げるために、エアーリフト式よりも大きな水流でろ過能力を発揮することができます。
ただし、ろ過材がシンプルになってしまいますので絶対的なろ過能力ではなく、またろ過材が目詰まりすると能力が落ちてしまいます。
メンテナンスは大変楽ですが、こちらも吸い込み口によって稚エビが吸い込まれてしまいますので、別にストレーナーカバーを用意する必要があります。

テトラ (Tetra) オートワンタッチフィルター AT-20

テトラ ストレーナーフィルター

保温器具

シュリンプは室温で飼育も可能ですが、やはり冬場に水温が下がりすぎる場合にはヒーターが必要です。
適した水温は22度前後なので、サーモスタットのダイヤルで調整できるヒーターや、22度前後の設定になったヒーターを使いましょう。

照明はシュリンプを美しく観賞することができるのと、水草を綺麗に維持するために必要です。
基本的には気に入った照明で良いですが、お勧めはやはり光量が強く扱いやすいLEDをお勧めします。

シュリンプの繁殖

小型シュリンプは大変繁殖が容易で、適した水質の中に成熟したオスとメスがいるだけで簡単に繁殖します。
オスとメスの区別ですが、オスはメスよりも体が小さく体色も乏しいという特徴があります。
また、オスは卵を抱える必要がないので、尾がメスよりも細くなっています。
メスが成熟し、卵を産めるようになると、脱皮した後にフェロモンを放出し、オスを呼びます。
オスが慌ただしく泳ぎ回るようになり、交配をします。
水質が悪いと卵を放棄してしまうことがありますが、水質が合えばメスは20~30個ほどの卵を抱えるようになります。
2~3週間後に孵化します。
稚エビはプランクトンの時期を持たず、親と同じ形状で生まれます。
稚エビは水草のバイオフィルムをつついて成長し、やがてコケを食べるようになるため、ウィローモスなどを茂らせておきます。
また、メスは2~3日後には再度繁殖が可能となります。