初心者は枯らしてしまいがち?水草をうまく管理する方法を解説

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初めてアクアリウムを立ち上げた際、水草が溶けたり枯れたりするトラブルに見舞われることは、決して珍しくありません。水草はアクアリウムの影の主役です。水草がうまく育たないと熱帯魚もストレスがたまりがちになったり健康状態が悪くなったりします。水草の管理の良し悪しで、熱帯魚の寿命も変わってくるでしょう。今回は、初心者がやってしまいがちな水草の育成失敗の実例や水草をうまく管理する方法を解説します。
 

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初心者がやってしまいがちな水草育成の失敗

 
はじめに、初心者がやってしまいがちな水草育成の失敗例を紹介します。どのような失敗をしがちなのでしょうか?

買ってから1~2週間で枯れる、溶ける

アクアリウムを立ち上げて1~2週間すると、水草が枯れたり溶けたりするトラブルは、初心者が一番やってしまいがちなものです。これは、水槽内の環境が水草に適していなかったために起こるものですが、水草はある程度エネルギーを身体の中に蓄えていますので、それが切れる1~2週間後に枯れやすくなります。アクアリウムを立ち上げて1~2週間後というのは、水質も安定してきてほっと一息つく頃です。そんなときに水草が枯れたり溶けたりすれば、がっかりしてしまいますね。
 

水草が変色したり元気がなくなったりする

最初の1~2週間を乗り切り、安心したころに起こりがちなトラブルです。葉が縮れたり黄色っぽくなったりする。新芽の部分が白くなったり萎縮したりする。茎が細くなったりする。このようなトラブルは、肥料不足の可能性が高いでしょう。成長の早い水草を数種類組み合わせて植えると、肥料不足になりやすくなります。
 

水草に茶色の苔が生えた

水草に生える茶色の苔は、「珪藻(けいそう)」です。水の濾過がうまくいっていないと発生しやすく、水草だけでなく水槽や砂利にも生えます。別名茶ゴケと呼ばれる珪藻は、繁殖すると水槽の壁面の広範囲について見た目が悪くなります。
 
 

水草にトラブルが発生した場合の対処方法

 
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では、水草にトラブルが発生した場合はどうすればいいのでしょうか?この項では、トラブル別に対策方法を解説していきます。ぜひ、参考にしてください。
 

水草が枯れかけたり溶けかけたりしている

水草が枯れかけたり溶けかけたりしている場合は、その部分をカットしてしまいます。葉っぱや根っこをある程度カットしても、そこから新しい根や茎が生えてきますので、心配はいりません。ただし、あまりたくさんの根や茎、葉をカットしてしまうと生命力が弱まって新しい芽を出す力がなくなってしまうので、早期発見、早期対処をこころがけましょう。活力剤を使用するなどの方法もあります。また、日が良く当たる場所に置いておくと発根しやすいので、一度水槽から取り出し、別の容器に浮かべて日光の良く当たる場所に数日間おいておいてもいいでしょう。
 

水草が変色したり元気がなくなったりした場合の対処方法

水草が変色したり元気がなくなったりする原因は、前述した肥料不足のほか、日光不足、co2不足などの原因が考えられます。新芽の部分が白くなったり萎縮したりする場合は肥料不足の可能性が高いので、追肥してみてください。
また、水を替えた後で急に元気がなくなった場合は、水質の変化が原因の場合があります。一度に水替えをする量を少なくするなど、水質が急激に変化しないようにしてみましょう。
すでに大きく育っている葉の色が褪せたり白っぽくなったりするときは、日照不足が考えられます。また、二酸化炭素不足の可能性もあります。この場合、光量を増やして日照時間を短くし、二酸化炭素を加えます。また、水温を測って22~23度くらいに保つと、元気になりやすくなるでしょう。
 

水草に苔が生えた場合の対処方

水草に珪藻(茶ごけ)が生えた場合、水を50%替えてエアレーションするなどの対策を取りましょう。水草についた珪藻は「オトシンクルス」などのメンテナンスフィッシュに食べてもらうと傷つけずに落とすことができます。また、茶ごけは弱い光が好みなので、消えるまで蛍光灯の光量を強くしてみるなどするのも効果があるでしょう。
 
 

水草をうまく管理するポイント

 
水草をうまく管理するポイントを解説します。どこに気をつければ水草を順調に生育することができるのでしょうか?
 

水草を見た目だけで買わない

熱帯魚は飼育方法をよく調べてから購入するのに、水草はショップで見た目がきれいなものをとりあえず買った、という人も珍しくないでしょう。一口に「水草」といっても、強い光を好むもの、半日陰でも育つもの、成長が早いもの、遅いものとさまざまな種類があります。ですから、水草も下調べをして購入しましょう。初心者でも育てやすい水草としては、マツモ、クリプトコリネ・リアルグリーン、アヌビアスナナなどがよく紹介されます。初心者向けとしては、半日陰でも育ち、成長が遅くトリミングがあまり必要ないものを選ぶと管理が楽です。
 

水草は2種類くらいからスタートする

丈の違う水草を植えて水槽に奥行きを出したり、立体的な風景を作りだしたりしたいと思う人は多いでしょう。しかし、水槽の中に植える水草の種類が多いほど管理が大変になります。初めてアクアリウムを立ち上げる場合は、2種類くらいからスタートしましょう。管理になれたら種類を増やしていきます。
 

水草は束のまま植えない

ショップによっては、水草を束にして販売しているところもあります。水草は植える際、一本一本ばらして植えましょう。いっぺんに植えると枯れてしまいます。また、流木に植えるのか、砂利に植えるのかも事前に調べておいてください。なお、ショップによっては「水草」として販売されているドラセナは水中では育ちません。葉は水の外に出す必要があります。
 

水草の様子は毎日チェックする

熱帯魚と同じように、水草の様子は毎日チェックしましょう。枯れたり溶けたりした場合も、部分的なら切って対処することができます。水草の大部分が枯れたり溶けたりしてしまえば、手遅れです。毎日チェックしていれば、トリミングが必要な時期なども検討がつけやすくなります。特に、水槽を立ち上げて1~2週間目までは、1日に2回は様子を確認しましょう。
 
 

まとめ

 
熱帯魚を飼育する際、水草は隠れ家や産卵場所として必要です。アクアリウムを立ち上げたときは、熱帯魚と同じ位水草にも気を配りましょう。1~2週間たって水草が枯れ始めたら、水槽の環境が適していない証しです。もう一度飼育環境を見直してみてください。また、水草の育てやすさから考えると、アクアリウムを立ち上げるのは、水温が22~23度くらいになる初夏あたりがおすすめです。