野良猫、ハクビシンに金魚を食べられた父の復讐

 
 
私の父親は自作で庭に小さな池を作り金魚を飼っています。
毎日朝起きたら庭の金魚に餌をやるのが日課になっており、
その日もいつも通り餌をやりに庭に出て行きました。
しかし餌をやりに庭に行ったきりなかなか帰ってこず、
やっと部屋に帰ってきたと思ったら険悪な表情でこうつぶやきました。
「金魚の数が少なくなってた。池の周りに鱗のような残骸があったから多分野良猫かハクビシンに食われた。」
そう、なんと金魚が数匹食べられてしまったのです!
軽く舌打ち混じりで話す父の目は燃えていました。
毎日かわいがっていた金魚が食われたとなれば気持ちは分かります。
その日からネットで何やら調べたり、
ホームセンターに行って何かを購入したりと張り切っていました。
どうやら池の金魚たちが食われないように防網を作るのだとか。
作業を頑張る父を横目に私と母は他人事のように
「なんか楽しそうだね」
と眺めていました。
そして1週間ほどたったとき、ついに防網が完成していました。
無関心だった私と母親もこれには思わず
「おお〜」
と驚いたものです。
自作にしてはなかなかクオリティが高く、
これはもう野良猫やハクビシンに食べられる心配はないなと関心していました。
たった1週間足らずで完成させる父の執念、いや、金魚への愛情が伝わってきました。
「これでも金魚が食われたら今度は罠を作ってやる」
と話す父はどこかとても楽しそうでした。
なにはともあれそれから金魚たちに被害はないので良かったです。