サンゴは熱帯魚に比べると水質管理や温度管理が大変で、育てるのが難しそうというイメージがあります。しかし、サンゴすべてが繊細な温度管理や水質管理が必要、というわけではありません。今回は、初心者に育てやすい温度や水質の変化にも強いサンゴを5つ、紹介しましょう。
サンゴの種類
育てやすいサンゴを紹介する前に、まずは個人が水槽の中で飼育できるサンゴの種類を紹介します。
サンゴの種類は大きく分けて2つ
サンゴの種類は、大きく分けてソフトコーラルとハードコーラルという2種類があります。ソフトコーラルというのは骨格を形成せず、死んでも固い骨格が残らないサンゴのことです。イソギンチャクなどもソフトコーラルに分類されます。ハードコーラルというのは、骨格を形成するサンゴの総称です。ソフトコーラルよりは飼育難易度が高いので、サンゴを飼育するのははじめてという方は、まずソフトコーラルの飼育からチャレンジしてみましょう。
日陰性サンゴは上級者向き
ハードコーラルサンゴの一種に、日陰性サンゴというものがあります。一般的なサンゴは光合成をして栄養を作り出しますが、日陰性サンゴは海の深いところに生息しているので、プランクトンなどを捕食して栄養を摂取します。ですから、ライトを必要としない代わりに定期的な給仕が必要です。植物よりも動物を管理しているという実感を得ることができるサンゴです。飼育難易度は高めなので、ソフトコーラルを1年飼育できたらチャレンジしてみるといいでしょう。
初心者におすすめのサンゴ5選
この項では、手に入りやすく飼育しやすいサンゴの特徴や育て方、値段の相場などを詳しく紹介していきます。
スターポリプ
スターポリプは八放サンゴ亜綱、ウミトサカ目に属するソフトコーラルです。その名の通り、星の形をした長い触手が特徴で、肌色~緑色をしています。緑色が濃いほど値段が高く、3千~5千円前後が相場です。一般的な海水魚が飼育できる環境で飼育することができ、魚との共存もできます。また、急激な水質の変化やある程度の温度変化にも対応してくれます。また、スターポリプは増えやすいサンゴであり、飼育環境が適していれば、どんどん増えていくでしょう。ただし、毒性はやや強いので、扱う際は手袋をするか、触った後は欲手を洗いましょう。
ディスクコーラル
ディスクコーラルはその名の通り、机のように平べったい形をしているサンゴです。円盤のような口板に短い吸盤のような柄がついています。あまりイメージできませんが、柄を動かしてゆっくりと移動します。バブルディスク ヘアリーディスクなどいくつかの種類があり、1万円~1万5千円程度で販売されています。いろいろな魚と共生できる強い種類のサンゴで、急激な水質の変化、温度変化にも耐えることができます。水槽を立ち上げて1週間くらいから入れることがで月1くらいで栄養剤を与えれば、後は水質の管理をしてあげれば育てられます。
ウミキノコ
ウミキノコはその名の通りキノコによく似たサンゴです。「イソギンチャク」と言って皆様がイメージするような形をしており、頭頂部に長い触手がはえています。沖縄県の海に自生していて「雑に扱っても大丈夫」と言われるほど丈夫です。値段は5千円~1万円程度で、スターポリプのように緑色が濃いものほど値段が高くなっています。強い光とランダムな水流を好むので、この2つだけ気を配ってあげましょう。給仕などは特に必要ありません。強い光を当てるほど色が美しくなります。また、クマノミと一緒に飼育することもできます。
マメスナイソギンチャク
菊の花が咲いたような独特な形をしたソフトコーラルです。カラーバリエーションが豊富で、値段も2千円~3千円ととても手頃です。ですから、初心者が最初に飼育するサンゴの1種として人気があります。マメスナイソギンチャクはいくつかの種類があり、土台にくっつけて環境を整えてあげると比較的増えやすいのが特徴です。光は強すぎず弱すぎずといった微妙な調整が必要なところが少々コツがいりますが、ある程度の水質の変化にも耐えてくれます。
カワラフサトサカ
小さい花がたくさんついたような触手が特徴的な、花束のようなサンゴです。小さいものは2千円前後で手に入りますが、大きいものだと1万円前後する、大きさで値段の変わるサンゴです。水質の変化にとても強いので、初心者向けと言われています。非常に強い光と強い水流を好むので、微妙な調整がいらないのも、初心者向きと言われている理由です。40~60cm四方の水槽で十分飼育できます。
サンゴが購入できる場所と注意点
この項では、サンゴが購入できる場所とサンゴを購入する際の注意点を紹介します。ぜひ、参考にしてください。
サンゴを購入できる場所
サンゴは、ネット通販かペットショップで購入できます。ペットショップでは、熱帯魚の販売に力を入れているところでないと置いていないところも多いので、地方の方はネット通販を利用するのがおすすめです。前述したようにサンゴは色と大きさで値段が変わってくるものです。極端に安いサンゴは小さいか、弱っているか、何らかの理由で訳ありと考えましょう。また、高価なサンゴは維持に手間や費用がかかります。できるなら、相場程度の値段のものを購入しましょう。
天然のサンゴは取ってはいけない
生きているサンゴを捕獲することは、県の条例で禁止されています。沖縄や和歌山は、サンゴの採取は全面禁止です。イソギンチャクは見逃されている自治体が多いのですが、サンゴとしてネットショップで売買されているものは採取しない方がいいでしょう。
まとめ
今回は、初心者でも飼育しやすいサンゴを5つ紹介しました。初心者にも飼育しやすいサンゴは、水温、水質の変化に強く熱帯魚と一緒に飼育できるソフトコーラルです。はじめてサンゴを飼育したいという方は、ぜひ、今回ご紹介したサンゴも候補に入れてみてください。