アロワナがかかりやすい病気とは?治療方法や予防方法と共に解説

アロワナ
 
 
アロワナは1億5千万年前からほぼ姿を変えずに生息し続けている古代魚の一種です。水質の変化に強く飼育可能なことから、熱帯魚好きの間でも人気の魚となっています。難易度は高めですが「いつか飼育したい」と思っている方も多いことでしょう。さて、アロワナを飼育する際にはかかりやすい病気のことを知っておく必要があります。この記事では、数ある熱帯魚の病気の中から、アロワナがかかりやすい病気を治療法・予防法と共に紹介します。アロワナを飼育しようと考えている人や、アロワナを初めて飼育中という方は、ぜひ読んでみてくださいね。
 
 

アロワナがかかりやすい4つの病気

 
はじめに、アロワナがかかりやすい病気のうち、代表的な4つを紹介します。病気によっては早期発見が大切になるので、特徴をよく覚えておきましょう。
 

白点病

白点病は、アロワナ以外にも熱帯魚全般がかかりやすい病気です。病気の原因は、「イクチオフチリウス」という線毛虫の一種であり、これが魚の表皮に潜り込むことによって発症します。白点病を発症した魚は、小さな斑点がひれや身体にできてかゆがるのが特徴です。放っておくと体中が真っ白になって絶命する病気なので、早めに対処しましょう。白点病の原因となる「イクチオフチリウス」は、25℃以下の低い水温を好みます。そのため、冬になると発症率が上がるので、冬場は魚だけでなく水槽内のこまめな観察が大切です。魚のひれに白い斑点ができた。魚が身体をこすりつけてかゆがるそぶりを見せる、などの症状があらわれたら、白点病を疑いましょう。
 

水カビ病(綿かぶり病)

水カビ病(綿かぶり病)は、「水カビ」が魚に寄生して発症する病気です。水カビはどこの水中にもあるもので、魚が健康なら問題ありません。しかし、ケガやこの次にご紹介する「エロモナス病」などに感染して傷口ができると、そこから体内に入り込んで繁殖します。
水カビ病を発症すると、身体やひれに白や薄黄色の菌糸が見られるのが症状です。エロモナス病と合併して発症すると治療が困難になるので、エロモナス病を発症したら、水カビ病にかからないように経緯を見守りましょう。
 

エロモナス病

エロモナス病は、エロモナス菌という細菌の一種が魚の体内に入ることによって発症する病気です。エロモナス菌も水カビと同様、水中ならばどこにでもいる細菌です。しかし、水質管理を怠ると狭い水槽の中で大量発生して感染しやすくなります。また、何らかの原因でアロワナの抵抗力が下がっていても発症しやすくなるので気をつけましょう。エロモナス菌は鞭毛を持って自分で動ける「運動性エロモナス菌」と鞭毛を持たない「非運動性エロモナス菌」があり、どちらに感染するかで発症する病気が違います。
代表的なのは以下のような病気です。
* 立鱗病(松かさ病):鱗が松ぼっくりのように逆立ってしまう
* ポップアイ:眼球が異常に飛び出す
* 穴あき病:鱗が充血して?がれ落ち、真皮が見えてしまう

 
どれも最悪魚が死んでしまう病気です。
 

カラムナリス症(尾腐れ病)

カラムナリス症(尾腐れ病)は、カラムナリス菌によって発症する病気で、感染する部位によって「口ぐされ」「ひれぐされ」などと名前が変わります。感染した部位が壊死して溶け出すのが症状です。この状態が「腐っている」と例えられます。アロワナの場合は尾が感染し、腐る例が多いようです。水質が悪化すると発症しやすく、短期間で死亡してしまうケースも珍しくありません。
 
 
アロワナ

アロワナが病気になった場合の対処方法

 
アロワナが病気になったら、治療が必要です。ここでは、個人でできる治療方法や注意点を解説します。
 

水温を上げる

白点病やエロモナス病の一種、松かさ病などは、原因となる細菌が低温を好みます。ですから、水温を30℃以上にあげることで病原菌の繁殖を抑えましょう。
 

水を替える

病気の原因となる細菌の多くは、水質が悪化するほど増加します。アロワナが病気になったら、水を替えて水質改善を図りましょう。場合によっては底砂や水草・流木などもすべて洗い、菌を徹底して落とす必要もあります。また、フィルターの目詰まりや放置なども病原菌繁殖の原因となるので、洗浄や交換が必要です。
 

殺菌灯を用いる

殺菌灯は主に海水魚が病気になった場合に用いますが、淡水魚にも効果があります。身体表面に付いた病原菌を殺せるので、使ってみましょう。
 

塩水浴 薬浴

アロワナの身体表面や体内に入った病原菌を殺すために、薬浴や塩水浴を行います。病気によって効果がある薬が異なるので、まずは病気を特定するところから始めてください。また、アロワナはに弱い個体が多いので、規定量の3分の1程度の薬を入れた水で薬浴をさせ、問題ないならば、薬の量を増やしましょう。塩水浴をさせる場合は、水量の1%の塩を入れてください。
 

 
 
アロワナ

アロワナの病気を予防する方法

 
アロワナが病気になると治療に時間と手間がかかります。ここでは、アロワナの病気を予防する方法を解説します。
 

水温を高めにする

イクチオフチリウスやエロモナス菌は25℃以下の低い水温を好みます。ですから、水温を高めに保ちましょう。寒冷地にお住まいの方は冬の温度管理に気をつけてください。水温計を毎日見る習慣をつけましょう。
 

水質管理を徹底する

水質が悪くなるとアロワナのストレスも強くなり、細菌も繁殖しやすくなります。水質の管理を徹底し、水替えをこまめにする習慣をつけましょう。濾過器がついているからといって安心してはいけません。
 

アロワナのストレスをためないようにする

アロワナがストレスをためると抵抗力が下がります。アロワナは縄張り意識が強く、複数を1つの水槽で飼育するのは大変難しいです。また、多種との同時飼育も慣れるまではやめたほうがいいでしょう。また、餌は生き餌と人工飼料を混ぜて与え、同じ物ばかりにならないように工夫してください。このほか、アロワナは溶存酸素が豊富な環境を好むので、エアレーションをしっかりと行いましょう。
 
 

まとめ

 
今回はアロワナがかかりやすい病気や対処方法、予防方法を解説しました。アロワナは上級者向けの熱帯魚なので、ある程度飼育になれた方むけの魚です。飼育に挑戦する際は、じゅんびをしっかりと調えて個体を迎えましょう。また、毎日魚の体調をこまめにチェックすることも重要です。