ドワーフグラミーの飼育と繁殖
ドワーフグラミー
ドワーフグラミーとは、スズキ目キノボリウオ亜目のオスフロネムス科に分類される魚です。
パキスタンやインド、バングラディシュなどに分布しております。
体長は成魚で大体6cmで、褐色をベースとした体色に、縦に鮮やかな青色の縞模様が入り、地色部分がさらに赤みががかり、とても美しい魚です。
頭部から腹部にかけては青色の光沢が発色しています。
比べてメスは大変地味で、全体的に灰色をしており、オスと違い縦縞の模様がありません。
ドワーフグラミーの飼育
ドワーフグラミー飼育の水槽
ドワーフグラミーは水質の悪化にも強く、ラビリンスという器官をもつことから酸欠にも強く、小さな水槽でも飼育が始められます。
規格水槽の20cm水槽以上の大きさがあれば十分飼育できます。
しかし、小さければ小さいほど水質の悪化が早く、換水の頻度をあげる必要があるため、60cmサイズの大きさの水槽が最も飼育がしやすいのでお勧めです。
ドワーフグラミー飼育のろ過器
ドワーフグラミーの飼育においてはろ過器はどのようなものでも構わないのですが、繁殖を狙う場合は別です。
ドワーフグラミーのオスは繁殖期になると水面に泡巣を作るため、その泡巣を壊してしまうようなろ過器は不向きです。
また、外部ろ過器のそのままのストレーナーでは稚魚を吸い込んでしまうため、スポンジを被せます。
ドワーフグラミー飼育のヒーター
ドワーフグラミーの飼育に適した水温は22~28度ですので、26度前後に加温して飼育します。
ヒーターとサーモスタットがセットになり、自動で26度設定になっているものが扱いやすいので、それをお勧めします。
水槽の大きさに合わせてヒーターのワット数を選ぶとよいでしょう。
ドワーフグラミー飼育の照明
ドワーフグラミー飼育の照明ですが、ドワーフグラミーは水草レイアウトともとても相性が良いので、水草育成に適した照明を選ぶことをお勧めします。
しかし、基本的には好みで照明を選んでよいでしょう。
ドワーフグラミーの底砂
ドワーフグラミーは軟水で弱酸性の水質を好むため、そのような水質に調整してくれるソイルを底砂に使用します。
また、ソイルは水草の育成に適しているため都合が良いです。
ドワーフグラミー水槽のレイアウト
ドワーフグラミーの水槽レイアウトには、水草と流木が大変よく合います。
流木は水質を軟水の弱酸性に調整してくれます。
また、水草はミクロソリウムやアヌビアスナナなど、そこまで光量が必要ではなく、丈夫で飼いやすい水草をお勧めします。
また、アヌビアスナナやミクロソリウムは流木に結び付けて活着させることができるのでとても美しいです。
それから、泡巣を作るための助けとして、リシアを浮かべておくのも良いでしょう。
ドワーフグラミーの餌
ドワーフグラミーは何でもよく食べてくれるため飼育が容易です。
基本的には人工飼料も良く食べてくれますが、発色を良くするためには冷凍赤虫なども定期的にあげましょう。
ドワーフグラミーの混泳
ドワーフグラミーは混泳に向いている魚です。
性格はとても温和で、他の魚を攻撃することがほとんどありません。
ただし、同種同士では一部の個体が繁殖期に攻撃的になる事はあり得ます。
ドワーフグラミーとの混泳に向いている魚としては、ネオンテトラやグローライトテトラが適しています。
しかし、ドワーフグラミーは甲殻類を食べることが好きなため、小型のシュリンプとは相性が良くないため注意が必要です。
ドワーフグラミーの繁殖
ドワーフグラミーの繁殖はとても容易で、熱帯魚初心者でも狙うことができます。
繁殖を狙う場合はしっかり餌を与えて成熟したペアを用意する必要があります。
成熟したペアは、オスはとても色鮮やかになり、メスは小柄ながら丸みを帯びた体形になります。
繁殖期になると、のど元に黒い縞模様の婚姻色と呼ばれるものが現れてきます。
こうなると、オス同士は争うようになりますので、注意して隔離します。
やがて、ちょうどよいペアができると寄り添って泳ぐようになります。
オスとメスが体をくっつけて絡まり合うように交尾をします。
そのあと、メスはパラパラと卵をばらまくようにして産みますが、オスがそれを口で拾い、泡巣の中へ集めて戻します。
卵が孵化するまではオスが泡巣を守るようになります。
ドワーフグラミーの稚魚
ドワーフグラミーの稚魚は、産卵してからだいたい二日後に孵化します。
孵化して数時間後には元気に泳ぎ回るようになります。
稚魚は大変小さいため、親魚用の餌を食べることは出来ません。
そのため、稚魚には食いつきが良く栄養もあるブラインシュリンプや、ビネガーイールという生餌を与えます。