ウミキノコ株分け!ホントに切っちゃっていいんですか?

 
 
海水の水槽で海水魚を飼っていると、どうしても挑戦したくなりがちなサンゴ。
サンゴといってもたくさんの種類があり、飼育難易度が簡単なものからとても難しいものまで様々。
そして価格も海水魚に比べると若干高めなだけあって、
かなり慎重に考えていきたいものかと思います。
その中でも比較的安価で手に入れられ、
飼育難易度もあまり高くない「ウミキノコ」というサンゴ。
ソフトコーラルと呼ばれる柔らかいサンゴの分類になります。
見た目はそのままキノコのようで、傘の部分からポリプを伸ばしています。
ウミキノコとは言っても非常にたくさんのバリエーションを持ち、
傘やポリプの先が蛍光グリーンに光るものや、
傘が大きくなり更に長いポリプを伸ばすものなど、
まったく同じものが二つと無い、と言ってもいいくらいです。
 
しかし、
二つと無いと言いましたがウミキノコは「株分け」という方法で個体を増やすことが出来ます。
そこそこに大きくなったウミキノコを鋭利な刃物でざっくりと切り、
爪楊枝などで岩に固定する方法です。
いくら大きくなったとはいえ、サンゴを刃物で切って大丈夫なんでしょうか・・。
と迷ったのですが思い切って試してみました。
傘部分がだいぶ広がっていて、
他のサンゴに接触してしまいそうな勢いなのでその部分をカットします。
なんだか高野豆腐を包丁で切っている感触がします。
すごい変な感じです。
切った傘の一部を爪楊枝で岩に固定。
元々のウミキノコも傘の部分が三日月みたいになってしまいました。
これで株分けできたのかな・・とちょっと不安になりつつ様子を見ていきました。
 
株分けを試みて1ヶ月ほど経過して、
固定している傘の一部だったウミキノコを観察してみました。
なんと、傘の裏側が岩に活着していて爪楊枝で固定していなくても自立していました。
しかもポリプも伸ばしていて、キノコらしい形ではないにせよ、
元々のウミキノコと同じような状態になっていました。
もしかして、もっと月日を経ることによって茎の部分も再生されていくのでしょうか。
非常に興味深いですね!
自然下のウミキノコはカニなどのハサミを持っている生物が切って、
そこから増えていくのでしょうか。
狭い水槽の中で、生命の強さを感じた瞬間でした。